2014年03月21日

【349】歩き遍路39日目〈その9〉[2012年6月20日]

怖いつり橋を何とか渡り終える。何も落とさなかったようだ、良かった。

ここからは午前中歩いた道を戻ることになる。淡々と歩くのみである。
静かな吉野川沿いの道を進み、白地の集落からは、やや交通量が多い国道192号線に出る。
時折、国道を避けて旧道に入りながら進んでいく。

へんろ地図でCのマークがある所だったろうか、小さな商店にコカコーラの赤いベンチが並んだ屋根付きの休憩所があったので、ここで一休みとした。

梅雨時の別格への道ということで、この日はもちろん、一人のお遍路さんとも出会わなかった。

夕方5時を少し回ったころ、「民宿岡田」に帰って来た。
入浴を終えると食事である。
今日の宿泊客は、松山からYさんという61才の方と自分の二人だけである。今日は「松屋旅館」から来られたそうである。
Yさんと次に出会うのは、(88)大窪寺で、ほぼ同じ頃に結願となった。

お客さんが少ないので、「民宿岡田」の有名なおやじさんとゆっくり話をすることが出来るのは、うれしいことである。


民宿岡田:一泊二食 6000円  〈2階に上がってすぐの部屋 6畳〉~連泊~
      ※洗濯機・無料、乾燥機1時間200円。自販機、外にあり。朝食は6時から。
    宿泊客:歩き遍路2人


本日のコースタイム
民宿岡田6:43→10:16箸蔵山ロープウェイ駅10:37→11:27[15]箸蔵寺納経所付近12:02→13:03箸蔵山ロープウェイ駅→13:50ローソン三好池田店14:16→17:18民宿岡田

歩行距離:33.8km
 歩数  :56281歩
最高気温:25.0℃
最低気温:18.7℃[池田(三好市)]  


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2014年03月19日

【348】歩き遍路39日目〈その8〉[2012年6月20日]

「箸蔵山ロープウェイ」の駅を出発、しばらくは来た道を戻るが、途中から四国中央橋という大きな橋を渡り、対岸の旧池田町の市街地がある、国道32号線を歩いた。
これから、行きに見掛けた、つり橋を渡る計画である。

国道を進むとローソンがあり、店前にはベンチもあり、ちょうど休憩しやすくなっている。ここで昼食とした。

「民宿岡田」で頂いたおにぎりは既に食べてしまっていたので、スパゲッティなどを購入した。
昨日は大雨の中を歩いていたので、今日はとても平和な一日である。

つり橋を目指して、先へと進む。
郊外の方に出て、つり橋があるであろう辺りまでやって来た。
案内板などは無かったが、レストランやGSがある手前に、川のほうに下りて行く歩きの道があったので、その道を進んでいくと、ほどなくでつり橋が現れた。

このつり橋、かなり怖いものだった。
側溝のフタとして使われている、網目の鉄板の上を歩くものであった。

ここで、車の鍵や携帯電話など、何か大事なものを落としてしまったら、鉄板をすり抜けて、何とも深みのある川の中に落ちてしまい、もう拾うことは出来ないだろう。
何かを落としてしまわないかと怖かったのである。旅の思い出となる、つり橋渡りだった。  


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2014年03月17日

【347】歩き遍路39日目〈その7〉[2012年6月20日]

再び境内を散策し、ロープウェイ駅の辺りに行くと、一組の家族連れがロープウェイから降りてきた。ようやく他の参拝者に出会えた。
ロープウェイの経営は大丈夫なのだろうか、と心配になってくる。

納経所付近に戻ってくると、納経のおじさんが財布を忘れていないか、と声を掛けてくれた。先程、納経料の支払いの時に置いたままにしてしまったようだ。
財布を忘れたのは初めてである。危なかった。

帰りは、少しだけ道を変えて、写真の石段の道を通り、再び鞘橋を渡り、仁王門へと戻って来た。

恥ずかしながらつい最近まで、山門と仁王門の違いを知らなかった。仁王様を両側に安置している門が仁王門ということだ。何とも簡単な事を知らなかったものである。

先程の商店があった場所から、今度はルートを変え、遠回りにはなるが、車道を経由して麓に降りることにした。
車道といっても、通る車は無く、のんびりと下っていくが、随分と遠回りをしてしまったようだ。
途中には、三好高校の農場があり、山羊さんの姿が見えた。

麓から上り始めたのが10時半過ぎ、再び駅に戻ってきたのは13時頃だった。

[15]箸蔵寺は、もう一度訪れたい、独特の雰囲気を持った、素晴らしいお寺でした。  


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2014年03月15日

【346】歩き遍路39日目〈その6〉[2012年6月20日]

中門をくぐると、正面に宿坊がある。
ちょっと中を覗いてみると、「食堂」「浴場手洗」と張り紙がある。今時の立派な宿坊ではなく、本来あったであろう、古めかしい感じであった。
その先に、ロープウェイの小さな駅があった。

納経所付近に戻り、再び石段を登る。こうも石段が続くと滅入るはずなのだが、もう脚力もついてきたのだろうか、息も続くし、結構平気ではあった。

本殿のある一角に到着する。敷地は広いが、建物はぽつんぽつんとある。この本殿が本堂に当たり、向こうにある御影堂が大師堂に当たる。

本殿には、怖い顔をした、天狗の面が飾ってある。それに対して大師堂は、お寺の規模にしては小さく質素な印象である。

本殿という言葉は神社用語のようで、これも神仏習合の時代の様相が残っていると言えるようだ。

この[15]箸蔵寺から、こんぴらさんへと続く「箸蔵街道」という歩きの道が続いているはずである。
先ほどからその入り口を探しながらここまで来たのだが、一向に見つかず、結局分からずじまいとなってしまった。
後で調べてみると、ここの御影堂の奥の「八十八ヵ所御砂踏」の一角が入り口だったようである。その辺りも歩いたはずなのだが、気が付かなかった。

石段を下り、納経してもらう。人数チェックをしているようで、今日の納経者は今の時点で数人のようだった。  


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2014年03月13日

【345】歩き遍路39日目〈その5〉[2012年6月20日]

石段を上がり、仁王門をくぐると、広い参道が続いていた。鳥居があり、神社のようである。
これが、神仏習合のなごりなのだろうか。

四国88ケ所のお寺を周る以外には、お寺や神社の参拝はあまりしないので、他の寺社をよく知らないのだが、この[15]箸蔵寺は、一種独特の雰囲気があって不思議な感じがした。

山の中の誰も歩いていない立派な参道を進む。
両側の石柱には寄進者の名前と住所が書いてあり、遠くは大連と書かれたものまであるのには驚いた。全国から参詣者がいるのだろうが、今は誰も周りにいないのはどういうことだろうか。

これまた不思議な感じの、赤く塗られた屋根と橋(鞘橋)を渡ると、石段が続いている。ここからは、どこまでも石段が続いていく印象だ。

これでは、かなりの健脚でないと、箸蔵寺までたどり着けないのではないだろうか。
ロープウェイが造られたのも、うなづける。

調べてみると、こんぴらさんが785段、箸蔵寺は本殿までが600段弱となっていた。ちなみに、(10)切幡寺は333段なので、その倍近くということになる。

先ほどの商店があった場所から15分ほどで、[15]箸蔵寺の境内にたどり着いた。
右側に広い休憩所があり、正面に納経所があった。少し散策してみると、本堂は、本殿と呼ばれているようで、さらに石段を登らなければならないようである。
左に進むと小さな門(中門)があった。こちらから入るのが正式なのだろうか。  


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2014年03月11日

【344】歩き遍路39日目〈その4〉[2012年6月20日]

舗装道路が終わり、幅の広い、土の道となった。

道の突き当たりに、箸蔵寺へ1.8㎞の標識、そして(66)雲辺寺への道案内の紙が貼られており、歩いてみたかった野呂内経由の道が紹介されていた。
今回は宿の関係などもあり、あきらめざるを得なかった。

一旦、舗装道路に合流、へんろ地図では再び車道をパスする道に入る感じとなっており、その通りに道もあったが、肝心の遍路シール等が見当たらない。
少々迷ったが、その道へと入って行った。結果的には、この道で正解だった。

この道に入らなくても行けるだろうが、遠回りになっただろう。別格を回る時には、道しるべが消えていることもあるので、自分自身で予想して道を考えることも必要になってくる。

鬱蒼とした森の中を進んで行く。引き続き、車が通れそうなくらいの幅の広い、土の道が続いている。

ロープウェイ駅から30分ほど歩いた所で、営業はしていないだろうが、まだ古くはなっていない商店がある、明るく開けた場所に到達した。

こんな誰も来ないような場所になぜ店があるのだろうか。駐車場も無さそうである。

店中に男性の姿があり、花に水を遣っている姿が見えた。この山の中腹の人気の無い場所で暮らしているのだろうか。
石段と仁王門があるので、ここが正式な[15]箸蔵寺の入り口のようだ。

後で調べた所、ここにロープウェイの中間駅があった時代もあったようで、ここから歩いて参拝する人たちがいたようである。今日は、全く参拝客の姿は見られない。  


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2014年03月09日

【343】歩き遍路39日目〈その3〉[2012年6月20日]

国道32号線を離れ、左の道へと入って行く。集落の中の上り道である。

へんろ地図によれば、途中で左に曲がって線路を渡り、再び国道へ合流するはずだが、その場所が分からず、ほんの少し遠回りしてしまった。ただ、遍路シールもあったので、こちらでもいいようである。

帰りに線路を渡る場所を探した所、写真の道のようだった。踏切が無く、線路を横断するので、こちらには誘導していないのだろう。

国道に合流してほどなく、「箸蔵山ロープウェイ」の看板が見えてきた。「民宿岡田」を出てから、約3時間半の道のりだった。

[15]箸蔵寺へは、このロープウェイを使って参拝するのが一般的なようである。

駅の外にベンチがあったので、宿の方がお接待で持たせてくれたおむすびを食べ、一休みした。
平日の真昼間とあってか、参拝客らしき姿は無く、地元の車の方が時折トイレに立ち寄る程度で、静かなひと時であった。

ここから山登りである。登り口への案内板のような物は見当たらなかったが、ロープウェイの向こう側に山の方へと続く舗装道路があり、遍路石もあった。この道を進めば良いようである。  


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2014年03月07日

【342】歩き遍路39日目〈その2〉[2012年6月20日]

国道192号線を進み、白地郵便局がある所を左折する。
昨日の雨でカメラに水が入ってしまい、写真は曇った感じになってしまったが、今日は良い天気である。

吉野川沿いを歩いていくが、旧池田町の市街地や国道は対岸になるので、こちら側は、たまに車が通るくらいの静かな道である。

昨日、あれだけ見掛けた遍路石だが、今日は全く見当たらない。
おそらく、[15]箸蔵寺への昔の道は、今歩いている道ではないだろう。一体、どこが昔からの遍路道になるのだろうか。

遍路シールは所々に貼られており、発見するとうれしくなるが、八十八ヶ所の札所への道のように、それだけで周ることは難しく、地図を見ながら進まないと別格への道は難しいと思う。

吉野川沿いの単調な道をずっと歩き続け、国道32号線に合流した。32という、数字の小さい国道なので、大きな都市を結ぶ幹線国道なのだろう。

気が付くと、前後に複数の若者たちが歩いている。平日の日中になぜだろう、祭りか何かあるのかと思ったら、近くにある障害者施設の人たちが散歩をしているようだった。

付き添いをしていた、同年代くらいの職員さんが気さくに話し掛けてきてくれ、この先の道案内を丁寧にしてくれた。遍路をしていると、年配の方たちから声を掛けられることが多いので、年の近い人に話し掛けられ、新鮮な感じがした。  


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2014年03月06日

【341】歩き遍路39日目〈その1〉[2012年6月20日]

午前7時前、宿を出発し、[15]箸蔵寺へと向かう。今日は晴れの予報が出ている。

お接待のおにぎりを持たせてくれた。おそらく今日も、他のお遍路さんには会えない一人旅、いやお大師様との二人旅だろう。

しばらくは(66)雲辺寺への道と同じルートを歩くが、旧道をそのまま進み、昨日歩いてきた国道192号線へと出て来た。

これからこの国道を進み、旧池田町へと降りて行くが、所々に旧道が残っているので、そちらも選択しながら歩いた。
池田町といえば、高校野球のやまびこ打線、池田高校が有名である。もうじき始まる春の選抜高校野球、久し振りに出場するようですね。

今日は平日、通学の小学生たちとすれ違うが、みんなあいさつしてくれる。
宿でその話をした所、「民宿岡田」のおやじさんが、お遍路さんについて、話をしにいくことがあるそうで、そのおかげのようであった。

谷間の道を徐々に下っていく。少し高い所に高速道路が走っている。

宿から1時間半ほどで、白地という集落にやって来た。「民宿岡田」に泊まれなかったお遍路さんが泊まる宿、「民宿白地荘」は地名が宿名になっているようだ。  


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2014年03月04日

【340】歩き遍路38日目〈14〉[2012年6月19日]

←[15]箸蔵寺の鞘橋

明日は、別格15番の箸蔵寺へ行くことは決めていたのだが、どういったルートで、宿は、と大いに悩むことになった。

[15]箸蔵寺からは、へんろ地図には掲載されていないが、昔からの遍路道ではないかと思われる、野呂内という集落を通る道を経由して、(66)雲辺寺へ向かいたいのだが、そのためには、ここからでは距離がありすぎる。
旧池田町の宿に泊まらなければならないが、それでは明日歩く距離が10㎞足らずとなってしまう。

[15]箸蔵寺には宿坊があるようだが、団体客があった時のみ泊まれるらしく、そういった宿は、何となく気が進まない。

ここはやはり、一番スタンダードと思われる方法、「民宿岡田」に連泊して、[15]箸蔵寺へ往復することに決めた。明日の宿泊もOKだった。
一日かけて、一つのお寺への往復とは、何と贅沢な時間の使い方だろうか。


民宿岡田:一泊二食 6000円  〈2階に上がってすぐの部屋 6畳〉
      ※洗濯機・無料、乾燥機1時間200円。自販機、外にあり。朝食は6時から。
    宿泊客:歩き遍路2人、一般客1人  


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2014年03月03日

【339】歩き遍路38日目〈13〉[2012年6月19日]

「民宿岡田」は、(66)雲辺寺麓の一軒宿、予約が取りにくい宿として、そしておやじさんの人柄で有名である。
宿に到着すると、息子さんの奥さんが迎えてくれた。

部屋に入り荷物の整理などをしていると、おやじさんがやって来て、風呂が空いたと知らせに来てくれた。
「見たことある顔やなあ、前に泊まったことある?」と言われ、驚きました。

3年前のGWに泊まって以来なのですが、そんなに話をしたわけではなく、インパクトがある顔でもないはずなのですが、覚えていてくれたのでしょうか?

今日の宿泊客は他に、東京から来られた逆打ちの70才の方、そして仕事で泊まっているらしき方の3人だけだった。
逆打ちの方は何度か泊まったことがあるのだろうか、おやじさんと親しげに話していた。

順打ちのお遍路さんは、自分一人ということになる。この雨の中、雲辺寺に向かって歩いていたのは、自分だけだったのだろうか。さみしいものである。

部屋には、他のお遍路さんが残していった文章や、「伊予鉄不動産㈱」が発行している「へんろ」新聞もあり、これらを読んでいると時間が足りないくらいだった。この新聞は勉強になり、なかなか面白い。  


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2014年03月01日

【338】歩き遍路38日目〈12〉[2012年6月19日]

境目トンネルの反対側には、水車の食事処とコンビニがあるのだが、今日は営業していない様子だった。

一巡目の時、このコンビニに立ち寄り、境目トンネル内で首に巻いていたタオルを落としてしまった事を話したところ、新しいタオルを頂いた思い出がある。

軒下で休んでいると、中から人が出て来た。この雨なので車で送ろうか、という申し出を頂く。せっかく声を掛けてくれたのに申し訳ないのだが、丁重にお断りした。

水車のコンビニを出発する。一旦、来た道を少しだけUターン、へんろ地図で赤い点線となっている、遍路道へと戻る。初めて歩いたルートなので、ちょっとの距離ではあるが、地図の赤い線にこだわって進む。

すぐに国道に合流する。宿までは、あと一息だ。
今日は、一人の歩きのお遍路さんとも会っていない。梅雨時だと、こういうこともあるのだろうか。

今日に限らず、この先見掛けるお遍路さんは、本当に少なかった。特に、別格霊場への道では、誰とも出会わなかった。

雨は本降りとなり、全身びしょ濡れ状態で、夕方5時少し前、「民宿岡田」に到着した。


本日のコースタイム
ビジネス旅館ろんどん荘6:29→8:21(65)三角寺8:55→9:56峠→11:04[13]仙龍寺11:50→13:35ゆらぎ休憩所13:56→[14]常福寺(椿堂)14:49→15:58境目峠15:59→16:22水車16:36→16:54民宿岡田

歩行距離:26.6km
 歩数  :47954歩
最高気温:23.5℃
最低気温:20.4℃
一日の降水量:135.5mm[四国中央市(三島)]  


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2014年02月26日

【337】歩き遍路38日目〈11〉[2012年6月19日]

国道から右手の道に入る。古い遍路石があり、お馴染みの手のマーク、そして雲辺寺・箸蔵寺と書かれている。

今日はたくさんの遍路石を見掛けたが、雲辺寺はともかく、別格の[15]箸蔵寺が何度も登場してくるのはなぜだろうか。
昔は、参詣客がかなり多いお寺だったに違いない。

すぐに歩きの山道となった。地図を見る限りでは、車道をショートカットする短い道かと思っていたが、随分と長い山道に感じた。
もしかしたら、どこかで道を間違えて(66)雲辺寺へと向かっているのではないか、と大いに不安になってしまったが、住宅が見え、車道に合流し、一安心した。地図で見るよりは曲がりくねった道だったのかも知れない。

程なくで、愛媛県と徳島県の県境となっている、境目峠にたどり着いた。
(66)雲辺寺の辺りは徳島県に属している。ここで、一時的にも徳島県に入るのは、不思議な感じがする。

この道がかつての国道だったようで、国道192号線の朽ちかけた標識が残されていた。石碑もある。

峠付近には、雲辺寺に向かう「境目峠道」の分岐があった。
開けた感じの山裾の道を歩いていき、境目トンネルの反対側に到着した。境目峠の道は、予想以上に長く、疲れてしまった。  


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2014年02月24日

【336】歩き遍路38日目〈10〉[2012年6月19日]

一巡目の時にも、この別格14番の常福寺(椿堂)に立ち寄ったので、何となく覚えがあった。
集落の一角にお寺があり、トイレだけお借りして後にしたような気がする。

ここには男性のシンボルを象った石仏があったと記憶していたが、見当たらなかった。違うお寺だったかなあと思ったが、今日この後泊まった「民宿岡田」のご主人から、見てきた?と聞かれたので、やはりこの常福寺だったようだ。どこにあったのだろうか。

納経してもらうが、納経代をサービスしてくれた上、缶コーヒーのお接待まで頂いた。別格の数珠を購入して、[14]常福寺(椿堂)を出発した。

国道192号線の広い道路に出た。この道は幹線国道になるのだろうか、意外と交通量が多い。これから山を越えます、といった雰囲気が感じられる道である。

国道沿いには、真新しいヘンロ小屋「第37号しんきん庵・法皇」が出来ていたが、休憩せずに先へと進む。

ドンドンと山深くに入って行く。(66)雲辺寺へは、へんろ地図にも書かれているが、三つのルートがあるようである。地図では①となっている、「曼陀峠道」ルートの分岐があった。このルートが旧来の遍路道と書いてあるので、いずれは歩いてみたい。

前回は「境目トンネル」を経由して民宿岡田に泊まったので、今回は「境目峠」を歩いてみるつもりである。写真の道しるべが現れたので、道路を横断して、進行方向右手の方に入って行った。  


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2014年02月22日

【335】歩き遍路38日目〈その9〉[2012年6月19日]

午後1時半過ぎ、休憩場所に考えていた、平山にある「ゆらぎ休憩所」に到着した。
雨降りの日に屋根付きの休憩所は、本当に助かる。その上、トイレまで設置してくれている。

休憩所には、前回は見なかった張り紙が。「告」~利用される遍路の皆様にお願い~と書かれている。
こういった張り紙はあまり気持ちの良いものではないので、マナーを守ってみんなが利用してくれることを願うばかりである。

これまでの雨と何度か地面に落としてしまったために、デジタルカメラが壊れてきたようだ。カメラの中に水が入り込んで、写真に白いモヤが入ってしまった。
この先、度々このようになり、電池の消耗も早くなって、思うように写真が撮れなくなってしまった。

「ゆらぎ休憩所」で20分ほど休ませてもらってから出発した。へんろ地図に「半田休憩処」と書いてあるが、ここの事なのか、別に休憩所があるのかは分からない。

谷間を下っていく。大回りの車道を短絡する歩きの道も、忠実に辿る。少々濡れても、もう構わない。

見覚えのある休憩所がある。先程休んだばかりなのでパスするが、誰かが座っていると思ったらマネキンの人形だった。

高知自動車道をくぐる。へんろ地図を見ると、この辺りは高知自動車道の他、松山自動車道、徳島自動車道が交わっている場所である。歩いている道は田舎道だが、四国の道路交通の要となっている場所にあたるのかも知れない。
そう言えば、ここは四国中央市である。

時折民家が現れる道を進んでいき、[14]常福寺(椿堂)に到着した。  


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2014年02月20日

【334】歩き遍路38日目〈その8〉[2012年6月19日]

[13]仙龍寺の建物を出て、周囲を散策する。幽玄な雰囲気の漂う、素晴らしいお寺である。

本来歩いてくるはずらしき道も発見したが、戻って確かめる時間もないので、寺を出て先へと進む。

坂道を下ると、一般の車道に出た。国道319号線のようで、交通量は少ないが、市営バスが通り過ぎていった。バス利用も可能なようだ。

分岐があり、国道を離れ、引き続き新宮ダムに沿った道を進む。どちらを進んでも堀切トンネルに出るようだが、こちらの道の方が距離が短いようである。

ほとんど通る車もなく、家がポツリポツリとある程度である。一匹の犬がしばらくの間、一定の距離を保ちながらついてくることがあった。遍路犬のようでおもしろい。

[13]仙龍寺から約1時間で、堀切トンネルの入口に到着した。
二車線の幹線道路風だが、車は少ない。トンネルは1㎞以上の長さだったが、偶にしか車は来ないので、ちょっと遊んで車道の真ん中を歩いてみたりした。怖い思いをすることもなく、通過した。

トンネルを抜けると、麓は雨と霧で煙り、視界がきかなかった。つづら折の車道を下っていくと、平山の集落にたどり着いた。自販機があったので、この先にあるはずの休憩所で飲むための缶コーヒーを買った。  


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2014年02月18日

【333】歩き遍路38日目〈その7〉[2012年6月19日]

(65)三角寺から歩いて3時間という看板があったが、ゆっくりと休憩せずに歩き続けていたので、約2時間で[13]仙龍寺に到着した。

建物内に入ると、靴を脱いで参拝する形式だった。
全身ずぶ濡れ状態なので、入り口のソファで一旦休憩する。身体の体熱のおかげか、体中があっという間に乾いていく。

自販機もあったので、三島のコンビニで買ったおにぎりを食べたりと、腹ごしらえをした。寺前に車が止まっていたが、人の気配は全くせず、静寂である。

建物内を奥の方へと静かに進み、室内にある本堂へ。畳敷きだったので、座って読経した。

このお寺は、ご本尊が弘法大師なので、本堂のみで大師堂は無いということである。ご本尊が弘法大師というお寺もあるようだ。

参拝を終え、さて納経だが、納経所をはじめ建物内に人影がなく、声を掛けても誰も出てこない。どうしようか、電話を掛けようかなどと思案していると、ひょっこり住職さんらしき方が現れ、納経してもらった。
自分より少し年上くらいの、まだ若い方だった。

一頻り話をする。この、台風が来ている悪天候時に、山越えの遍路道から来たことで、お叱りを受けるかな、と心配していたが、気さくな方だったので大丈夫だった。  


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2014年02月16日

【332】歩き遍路38日目〈その6〉[2012年6月19日]

[13]仙龍寺の奥の院らしき場所から、道しるべに従って、歩きの道を進む。

なぜか、急に道が悪くなってきたような気がする。道を間違えたのかとも思ったが、真新しい「遍路道」と書かれた標識もある。今まで歩きやすい道が続いていたのだが、ただの山道に入った感じがした。

これは昔の道じゃない、という言葉がずっと頭の中をよぎっていた。

右手に大きな滝が見えた。他の人の遍路紀行に、このような滝があったと書いてあっただろうか。不思議に思いながらも、近付いてしばし見学する。
折からの雨のためか、立派な滝の姿である。

滝の水が大きな川となって流れている。普段は軽く跨げるであろう川が、増水しており、渡れそうにない。
仕方がないので開き直って、靴のまま歩いて川を渡った。もう既にずぶ濡れだったので、同じである。

この先、崖崩れで危険な場所があるはずで、どんな状態なのか確かめてみたかったのだが、まだかな、と思いつつ進む。この、少々歩きにくい山道が随分と長く感じだ。

眼下に期せずして、[13]仙龍寺の建物が見えてきた。特徴のある立派な建物であるが、あの崖崩れの場所はどこだったのだろうか。

後で調べて分かったことだが、途中から本来の遍路道を外れ、危険な場所を避けるルートに誘導されて、[13]仙龍寺にやって来たようであった。  


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2014年02月04日

【331】歩き遍路38日目〈その5〉[2012年6月19日]

峠には、首のないお地蔵さんと、奥の院までの距離が書かれた、手作り風の看板があった。

雨の峠で少し休んでから、下りの道を進む。上りの時と同様、次々と現れる丁石を励みに前へと歩いていった。歩きやすい道が続いている。

ずっと森の中を歩いてきたが、鉄塔があり、日の当たる明るい場所に出てきた。
脚が覆われるくらい草が生い茂っている。何となく道の跡が分かるくらいだ。ここにも草刈お接待の鎌があったのだが、これを刈り取るには相当の時間が掛かりそうである。この悪天候では草を刈る意欲が湧かず、申し訳ないがそのまま進んだ。

当たり前の事なのかもしれないが、日がよく当たる場所に草がボーボーに生えてしまうということに、初めて気が付いた。

さらに道を下っていくと、舗装道路に出て、隠れ家的な集落に着いた。人の姿は見えないが、誰かが生活している雰囲気はある。

すぐに歩きの道へと戻る。
森の中に、広い神社のような場所が突然、あらわれた。ここが[13]仙龍寺の奥の院だろうか。

随分と荒れた感じがするが、変わった石段があったり、「箸蔵寺」や「雲辺寺」の文字が入ったへんろ石もあるなど、古い歴史が感じられる、不思議な場所である。
この場所から、雲辺寺方面への道が続いているのだろうか。
「仙龍寺」と書かれた石柱もあるが、まさかここが[13]仙龍寺ではないだろう。

この辺りは、もう一度天気の良い時に訪問して、じっくりと歩いてみたい場所である。  


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2014年02月02日

【330】歩き遍路38日目〈その4〉[2012年6月19日]

暗い森の中を歩き続ける。雨は降り続いているが、山の中だからだろうか、風は強くない。まだ午前中だが、写真では夜のようだ。

きっと、この冷たい雨の森の中を歩いているお遍路さんは自分一人だけだろう。そう思うとさみしくなってくる。
そんな時励ましてくれたのが、次々と現れる「丁石」だった。約100mおきに、見事に残っていた。時折心の中で、この丁石に声を掛けながら、山道を進んだ。

少し開けた場所に出ると、草刈りお接待の鎌が置いてある場所に出た。高知県の足摺岬手前、伊豆田峠以来だろうか。
この時は、刈るほどの草は生えていなかった。

それにしても、歩きやすい、素晴らしい土の道が続いている。古の人たちの多くがこの道を歩き続けて、踏み固められて歩きやすくなったに違いない。

突然、舗装道路に合流する。コンクリートの人工物が見える。キャンプ場の跡のようだ。
すぐに歩きの道に戻る。

(65)三角寺を出発してちょうど1時間、峠らしき場所にたどり着いた。
この雨では、座って休むわけにはいかず、しゃがんで一休みするしかなかった。  


Posted by こいったん at 10:36Comments(2)お遍路 第二拝(愛媛)