2015年03月21日

【464】歩き遍路49日目〈その19〉[2014年2月9日]

暗闇の中を歩き続け、中尾峠に差し掛かった。
ここからは歩きの道があるのだが、危険回避のため車道を進む。

街灯などの明かりが無いので、真っ暗闇である。前もよく見えていない。道幅も狭そうであるが、はっきりとは分からない。早足で歩いて行く。

ここで、車が通ろうものなら、歩いている人間を発見して、さぞ驚くだろう。
幸いというか、先程声を掛けてくれた車の方以来、白鳥温泉まで通り掛った車は無かった。

峠から随分と長く感じる。前回は歩きの道を通ったので、この区間は初めてであるが、車道なので遠回りとなっているのだろう。もしかしたら道を間違えたのではないか、と不安にもなった。

四国のみちの立杭がうっすらと見えている。歩きの道が合流してきたようだ。道を間違えていなかったようで、安心する。

この区間にたくさんあるはずの遍路石を見たかったのだが、今回はご縁が無かったと思って諦める。

早く宿へ、と足早に歩き続けていると、街灯が見えてきた。一軒の家があり、明かりが灯っている。ようやく下界に下りてきたようだ。

それから数百メートルで、白鳥温泉に到着した。午後6時45分だった。

今日は過酷な一日となった。とりあえず、身体に少々痛みがあるものの、雪道ですっ転んだりせず、無事に歩き通せて良かった。  


Posted by こいったん at 20:34Comments(2)お遍路 第二拝(香川)

2015年03月18日

【463】歩き遍路49日目〈その18〉[2014年2月9日]

今回、遍路に来た理由の一つに、(88)大窪寺から白鳥温泉にかけて、たくさんの遍路石が残っていたので、これをもう一度見たいという事があった。
しっかりと残されていて安心する。

写真の分岐を右に進むのだが、前回は山越えの遍路道を歩いたので、今回はトンネルをくぐることにする。へんろ地図では「五明トンネル」となっているが、「五名トンネル」が正解だった。

交通量が少ないトンネルを抜けると、すっかり薄暗くなってしまった。
突き当たりに白鳥温泉の看板があり、「車は3km先右折 歩く人700m先左折」となっている。歩き遍路にも配慮した看板となっていた。ウケ狙いだろうか。

看板の指示通りに、700m先を左折する。夕方6時となり、急速に辺りは真っ暗になってきた。早足で先へと進む。ここからは山越えである。
住宅が途切れると、すでに真夜中のような雰囲気となってしまった。

そこに、一台の車が通りかかって停車した。どこまで行く?と聞かれ、白鳥温泉、と答える。ヨシッ、乗ってけ。今日4人目の車お接待であった。

こんな暗闇の寂しい場所を歩いていたら心配にもなるだろう。が、ここでも、もう少しなので頑張って歩いていきます、とお断りした。
きっと白鳥温泉に入りに行く所だったのだろう。この先の道のアドバイスを受け、走り去っていった。

今日一日で4人の方から、車に乗らないか、とお誘いを受けたにもかかわらず、すべてお断りした。これだけ続くと、さすがにこれでいいのかという気になる。

三巡目からは、車お接待も遍路旅の行程の一つと考え、素直に受けようと思っている。  


Posted by こいったん at 20:00Comments(2)お遍路 第二拝(香川)

2015年03月14日

【462】歩き遍路49日目〈その17〉[2014年2月9日]

車一台がやっと通れる道が続いていく。
しばらく進むと、右方面への分岐がある。県道3号線は右手に入っていくが、4km先自動車通行不能、との看板がある。
帰ってからインターネットの地図で調べた所、この場所が本当の県境のようである。

県道を離れたから市道になるのだろうか、道を下っていくと、ようやく家が見えてきた。防犯カメラ有、となっている。このような場所で、何か盗っていく人がいるのだろうか。

その片隅に、「大影村御番所跡」と書かれた石碑があった。県境の番所があったようだ。
東海図版の四国遍路地図には、大影にも番所があった、と書かれているが、ここの事かも知れない。

廃牛舎などを見ながら、人の気配がしない道を進んで行く。

しばらくすると、大きな建物が見えてきた。白鳥農場となっており、各種定食~と看板が出ている。この場所で食事が出来るようであり、突然現れたお食事処に驚く。週末には直売所が開設されるようだ。

少し先で、細い道路と合流する。久し振りに一台の車が通り過ぎていった。
ガードレールに、なんと遍路シールが貼ってある。(88)大窪寺からの道に、ようやく合流したようだ。

後は、前回歩いた覚えのある道を進んでいくのみである。しばらく狭い道を進むと、改良された広い道路となった。

今回の遍路の帰りに車でこの道を通ってみたのだが、道が狭いのはこの区間だけで、後は立派な道路になっていた。二年前よりも道路の改良がさらに進んでいた。  


Posted by こいったん at 19:50Comments(3)お遍路 第二拝(香川)

2015年03月10日

【461】歩き遍路49日目〈その16〉[2014年2月9日]

徳島県との県境の標識がある。へんろ地図で道の確認をし、県境は越えないで香川県側を進むようなので左の方に行こうとしている所で、側にあった家のおばあさんがやって来て、道を教えてくれた。

左は山の方に入っていき、行き止まりとなる、右に行きなさい、との事だった。
そしてもう一人、顔を見せる。先ほどの、お接待を申し出てくれた車の女性だった。

この県境にお住まいの方だった。おばあさんも後部座席に乗っていたようで、お腹がすいてないか、と心配してくれていたそうである。
自分の事を心配して、外で待ってくれていたのかも知れない。

右に進めばずっと下りで、(88)大窪寺からの道に合流出来るとの事だった。再び、車で送りますよ、とも声を掛けてくれた。

県境にお住まいのこの方たちにお会いできなければ、左の山の方に入っていっただろう。

途中で間違いに気が付いたとしても、1時間以上は時間をロスしていたに違いない。宿への到着も何時になっていたことか。夜の8時9時になっていたかも知れない。

この時は、へんろ地図が間違えているのかと思ったが、帰ってきてから調べてみると、助けてくれた家は、県境を越えた徳島県に属するが、道路はギリギリ香川県となっていた。どうやら、県境の標識の方が正確な場所に立てられていなかったので、間違えかけたようである。

時刻は午後4時40分、何とか7時までには白鳥温泉に到着したい。日が傾きかけてきた狭い下り道を歩いて行く。  


Posted by こいったん at 20:15Comments(2)お遍路 第二拝(香川)

2015年03月06日

【460】歩き遍路49日目〈その15〉[2014年2月9日]

槙川の分岐を真っ直ぐに、県道3号線を進む。
パークゴルフ場のような場所があったが、他には何も無い、林の中の道だった。

人気の無い静かな道を歩いていると、珍しく車がやって来た。きっと、道を間違えたお遍路さんと思われるだろうなあ、と思ったら、その通り、「お遍路さん、どこに行かれますか」と声を掛けてくれた。自分より一回りほど年上の女性だった。

なぜこの道を歩いているのか説明するが、この方が後になって道を間違えかけた所を助けてくれることになる方である。

小さな峠を越えると、少し開けた場所となった。何軒かの家も見えている。道路は細い道が多く、風情があって楽しい。
少し先に県境を示す看板が見えており、徳島県美馬市となっている。ここはへんろ地図通りに左へと曲がる。

ここで、先ほどの車の方が再びやって来た。左の方へ、と教えてくれる。何と、心配になって引き返してきてくれた、との事だった。

白鳥温泉まではまだ遠いから、車で送りますよ、と申し出てくれたのだが、ここでもお断りしてしまった。今日三回目の、車お接待の申し出である。

少し先でUターンして、再び追い越して行った。お辞儀をしてお見送りする。

少し進むと、「徳島県市場町」と書かれた古い標識がある、Y字型の分岐があった。右方面に行けば徳島県のようである。へんろ地図で確認すると、進むべき道は県境を越えずにギリギリ香川県に沿って続いている。左に行けば良いようだ。

正解は右であった。  


Posted by こいったん at 20:14Comments(2)お遍路 第二拝(香川)

2015年03月02日

【459】歩き遍路49日目〈その14〉[2014年2月9日]

旧多和小学校の休憩所を出発する。
時刻は午後の3時40分過ぎであるが、白鳥温泉までは15km近くもある。午後7時過ぎには何とか到着したい所である。

ここからは、一般のお遍路さんも歩く遍路道となる。道路の改良が進んできている車道を歩いて行く。
所々で、さぬき市に入ってからよく見られる、遍路道の昔話が書かれた新しい看板や休憩所もあった。

「旅館野田屋竹屋敷」の前まで来た。横に細い道が続いているが、本来ならこの道を歩いてくるはずだったのだが。地図でみるとクネクネとしており、どんな道なのか、歩いてみたかった。

かわいい犬が、こちらを意識しながら前を歩いている。

(88)大窪寺への遍路道への分岐があり、本来なら左の方に入っていくはずである。
しかしながら、大窪寺を参拝していては、白鳥温泉への到着がいつになってしまうのか分からなくなる。

今回は時間短縮のため、前回参拝している大窪寺はパスし、遍路道を外れ、県道3号線を歩いて大窪寺からの国道に再び合流する、というルートで歩いてみることにした。
こちらの道の方が、少々距離は短そうだし、上り道も無さそうなので選択した。そのまま直進する。

曲がるべき所で直進したので、前方を歩いている犬が、「道が違う」とお知らせしてくれるかな、と期待したのだが、普通に前を歩いている。遍路案内犬ではなかったようだ。

へんろ地図で槙川のバス停が書かれている分岐に差し掛かった。1km先大型車通行不能となっていた。ここを進んでいく。
この先、危うく道を間違えて山の中に入って行ってしまう所だったが、地元の方に助けられることになるのである。  


Posted by こいったん at 20:59Comments(2)お遍路 第二拝(香川)

2015年02月27日

【458】歩き遍路49日目〈その13〉[2014年2月9日]

道路左手に、大川バス清水待合所という、古い建物があり、昨日乗ったコミュニティバスが止まっていた。県境を越えて、ここで待機しているようだった。
待合所となっているが、ここにバスは走っていないはずである。中山まで回送するのだろう。

この辺りで、久し振りに地元の方とあいさつを交わす。[20]大滝寺に行って来た、とお話しすると、奥さんが西照神社の出身(多分)と言っていたと思う。

夏子ダムから約1時間で、長谷の分岐まで戻って来た。ここからしばらくは、昨日歩いた道を戻る。
たった一日で、随分と雪が解けていた。

さぬき市へと入り、地元の軽トラの方が、これから大窪寺に行くので、もし良かったら乗っていかないか、と声を掛けてくれた。とても有難いお誘いで申し訳ないのだが、お断りした。

力石、馬草という印象的な名前のバス停が続く。
多和小学校がある分岐まで戻って来た。小学校は閉校しており、どぶろぐの幟が立っている。その一角に真新しい休憩小屋があったので、一休みしていくことにした。トイレも併設されていた。

ここでへんろ地図を確認すると、遠回りしていることに気が付いた。力石の所から旅館竹屋敷へと抜ける道に赤い線が引いてある。1.3kmのロスである。

本日は、ショートカットを見落とすわ、道を間違えるわと、何をやっているのかと少々落ち込む。今回は、地図を確認せずに、昨日通った小学校の所まで戻ると思い込んでしまったことが原因である。年を取って、次第に思い込みが激しくなってきたからだろうか。  


Posted by こいったん at 18:09Comments(2)お遍路 第二拝(香川)

2015年02月23日

【457】歩き遍路49日目〈その12〉[2014年2月9日]

別格20番大滝寺を出発してから、ほぼ歩き続けて3時間、ようやく国道193号線に合流した。

へんろ地図では6.7kmの距離ではあるが、実際にはどれくらい歩いたのか、かなり時間が掛かってしまった。

この国道193号線は、昨日歩いた塩江方面へと続いているようで、交通量が多い。昨日は雪のため、車も少なかったのだろう。

すぐに夏子ダムの休憩所となった。田舎の鄙びた場所を想像していたのだが、販売所があり、休憩がてら立ち寄る車も多く、賑わっている場所だった。

屋根付の休憩所があったので、ここでようやく一休みするが、少々風が冷たい。ゆっくりとしたい所だったが、小学生のグループも休憩しており、早々に出発する。

国道193号線は、ゆるやかな上りとなる。歩道の無い道だが、それ程怖さは感じられない。

道路左手に、予期せずして遍路石が置かれていた。「四国第八十八番奥院大滝寺 右 五十丁」と書かれていた。この場所から山の方に入っていく遍路道があるのだろうか。

清水という集落にやって来た。以前、[20]大滝寺に向かうお遍路さんが泊まっていたという「清水温泉センター」の廃墟があった。

バス停の小屋があったので、ここで電話をする。午前中から88番門前の宿に泊まろうと連絡しているのだが、一向に出る様子が無い。前日に電話すべきだったのだが、88番まで行けるか心配だったので、ある程度目処がついてから、と思っていた。

もう一度掛けてみるが誰も出ないので、あきらめることにした。コミュニティバスで志度バスストップに戻って、自分の車で車中泊も考えたが、白鳥温泉に連絡してみると予約が取れた。(88)大窪寺からさらに10km近くあり、かなり遠くなるが、ゆっくり温泉を楽しむことを目標に頑張ることにした。  


Posted by こいったん at 22:03Comments(2)お遍路 第二拝(香川)

2015年02月20日

【456】歩き遍路49日目〈その11〉[2014年2月9日]

長靴型の延々と続く車道を歩いて行く。へんろ地図を見ていると、どこかで藪の中にでも入って、短絡したくなるような形の道となっている。

長靴型の車道を、長靴を履いて歩いていたのだが、下りが続き、足の親指がもろに靴の先にあたって痛くなってきた。道端に雪は少々残っているが、ここで靴を履き替えることにした。

道端にリュックを下ろし、普通の靴を取り出して履き替えた。
後日、足の親指の爪が剥がれてしまった。もう少し早く替えるべきだった。

道端に、「ガンバレ今年も 2014一月十二日 桜男」と書かれた、変わった看板があった。一瞬、お遍路さんへの応援?とも思ったが、折れている桜の木があり、この木への応援看板のようだった。木が折れても花を咲かせているのだろう。

次は、またの機会に備えて、H450からH270へのショートカットの反対側の入り口を探しておこう。

カーブミラーに遍路道と書かれているが、黄色いスプレーで消されているような感じもする。この場所のようだが、後日調べた所では、現在では通れなくなっているようである。

点々と家がある開けた場所に出てきた。
夏子ダムへのショートカットはどこか、と探しながら歩いていたのだが、道しるべが見当たらず、発見出来ないまま、結局は車道をそのまま進むことになった。  


Posted by こいったん at 22:20Comments(2)お遍路 第二拝(香川)

2015年02月17日

【455】歩き遍路49日目〈その10〉[2014年2月9日]

へんろ地図のH450からH270へのショートカットに入る。

猪除けの柵を見ながら歩いていき、眼下に見えていた家がまばらに建っている集落内に入って来た。「細野」という地名のようである。
このまま道なりに進んで行けばいいのか、どこかで左に入るのか。

左に入る道があったが、住宅への取り付け道路に見える。その家の住人が作業をしていたので聞いてみようと声を掛けてみるが、こちらの声が聞こえないようだ。
もう少し先に進むと、別の住人の方が。国道へはこのまま進むのか聞いてみると、合っている様子。

しばらく歩くと、写真の車道に出た。反対から来た人用に遍路札があっても良いものだが、全然無いのでおかしいなあと思いつつ、無事に最初のショートカットを抜けたと勘違いしていた。

車道を下って行き、そろそろ夏子ダムへのショートカットの分岐があるはず、と左手を注意しながら歩いていくが、一向に見つからない。
それにしても標高は高いままだし、近くにダムがあるような感じが全くしない。

かなり進んだ所でようやく、H450からH270へのショートカットの途中のどこかで左に入りそびれて、再び車道に出て、今は長靴型の大回りの車道を歩いていることに気が付いた。それどころか、地図を見てみると、そのまま車道を進むより、却って遠回りをしていたことが分かった。一気に疲れてしまった。

帰ってから調べてみると、現在このショートカットは通れなくなっているようで、結局は大回りの車道を歩くしかなさそうであった。  


Posted by こいったん at 18:53Comments(2)お遍路 第二拝(香川)

2015年02月13日

【454】歩き遍路49日目〈その9〉[2014年2月9日]

ジグザグと森の中を下り、夏子ダムへと向かって行く。時折、作業小屋だろうか、ぽつぽつと点在している。
写真の黄色い遍路木札が多くあった。

峠から約1時間20分で、フラットな林道に出てきた。
どちらに進めば良いのだろうか。ちなみに反対から来た場合には、この場所から登って行くことになるが、遍路札は気を付けていないと見落としそうである。

集落も見えているので、どちらでも行けそうだ。足跡が一人分、右の方に向かっている。左に進んでみるが違う感じがし、引き返して右の方へ行ってみた。足跡から離れ、下の方に続く道を下りて行くと、先の足跡が上の方へと向かっていた。
たぶんこの辺りは、どこを通っても行き着けるのだろう。

何軒かの家があり、突然のお遍路さんの登場に、犬が吠えている。

道路に埋まっている、変なカーブミラーが見えてきた。向かいの木には、たくさんの遍路札がぶら下がっている。雪の無い、普通の車道と合流した。
道に埋もれたカーブミラーで記念撮影をした。

静かな車道を下って行く。前方の谷向かいに何かの工場らしき建物が見える場所で、一台の車が通り過ぎていったと思ったら停車した。
60前位の男性で、車に乗らないか、と声を掛けてくれた。歩いて行きますので、と丁重にお断りしたのだが、せめて国道まで、と熱心に誘ってくれた。せっかく声を掛けてくれたのに、申し訳無い。

少し進み、左上に上がっていく道がある。道しるべは見当たらないが、この道がへんろ地図のH450からH270へのショートカットだろうか。他に左方向に進む道は無さそうだったので上ってしばらく進むと、遍路札を発見した。

この時点では正解と思っていたのだが、結局は車道に逆戻りしてしまい、却って遠回りすることになってしまった。  


Posted by こいったん at 20:13Comments(2)お遍路 第二拝(香川)

2015年02月09日

【453】歩き遍路49日目〈その8〉[2014年2月9日]

森の中を下っていく。下りの雪道は楽かと思ったら、雪の中に固い層がある。元々積もっていた雪の上に、今回の雪が積もったのだろう、雪を蹴散らしながら滑り降りて行くことは出来ず、足をしっかり上げて歩かなければならなかった。

突然、ビニールハウスのある開けた空間が現れた。一体ここは何だろうか。
手前のハウスは骨組みだけだったが、奥の方は、何かを栽培している様子である。薄っすらとあった車の轍は、ここへ向かっていたようだ。

ここを過ぎると、再び森の中となるが、すぐに開けた場所に出てきた。この辺り、畑なのか、単なる伐採地なのかは分からない。

軽トラ1台分ほどの幅の道を、引き続き下って行く。この道を上れと言われたら難しいだろうなあ、などと考えながら歩いていく。
行きは車道で、帰りにこの道を選んで良かったと思う。

森の中を歩いていると、少し上りとなってきた。もしかして道を間違えたか。
少し手前に小屋と分岐っぽい雰囲気の道はあったが、どうなのだろうか。道なりに来ればこの道なのだが。
少し戻ってみたり、やっぱり前進、と行ったり来たりする。

意を決して、そのまま道なりに進んでみると、上りはすぐに終了、かなり歩いた頃に、ようやく遍路札を発見、道は間違えてなかったようでホッとする。

この辺りから、急に遍路札がたくさん見られるようになってきた。これまではそれ程無かったのは、外されてしまったのだろうか。
間違えそうな分岐の手前に決まってぶら下がっている。分岐の先にあった方が分かりやすいのに、と思っていたのだが、これは上ってくる人が分かるように表示してくれていることに、直に気が付いた。なるほどである。  


Posted by こいったん at 20:09Comments(2)お遍路 第二拝(香川)

2015年02月05日

【452】歩き遍路49日目〈その7〉[2014年2月9日]

[20]大滝寺を出発する。
吉野川だろう、徳島の平野がうっすらと見えている。今日は霞がかかっているが、これがクリアだったら、さぞ素晴らしい眺めだろう。

少し手前の県境の峠辺りからは、高松市内らしき場所が見えていたから、山を挟んで両方の眺めを堪能出来る場所に大滝寺はあった。天空の寺である。

お寺を出てからは、夏子ダム方面へと下っていく予定だったので、頭陀袋からへんろ地図を取り出して、道の確認をする。
先程通ってきた、県境の峠付近から道が続いているようである。ほんの少しの距離だが、また上り道か、と少々嫌にもなったが、気を取り直して出発する。

3分ほどで峠の県境に戻って来た。
この場所からは高松方面を遠望でき、うっすらとビルが立ち並んでいるのが見える。その向こうは群青色となっているが、瀬戸内海となるのだろうか、はっきりとは見えない。
今日は天気は良いのだが、少々霞んでいる。

峠には、「阿讃縦走コース」と書かれた標識がある。写真の場所である。
県境の尾根を歩いていく道のようだが、さすがにこの雪では山の中に入っていく勇気が無い。
夏子ダム方面への入り口を探す。

下に降りて行く道らしきものはあるのだが、表示が全く見当たらない。雪に埋もれているのだろうか。

他に道は無いので少し下ってみると、電柱に遍路シールが貼ってあった。この道で合っているようだ。この道を下っていく。かすかに車が通った跡が残っている。  


Posted by こいったん at 20:05Comments(2)お遍路 第二拝(香川)

2015年02月01日

【451】歩き遍路49日目〈その6〉[2014年2月9日]

既に10時近くとなっているが、今日初めての参拝客になるのだろうか、香炉には雪が積もっていたので、雪を払ってから線香に火を点ける。

ここのご本尊が分からなく、真言は「おんころころ~」を唱えたのだが、帰ってきてから調べてみると、「南無西照大権現(読み方は不明)」と唱えればよかったようである。
確かに、そう掲示されていた気がするが、真言は平仮名で書かれていると思い込んでいたので気が付かなかった。

大師堂は住宅の玄関にあるような感じで、すぐ横が納経所となっている。納経所に人がいれば、参拝姿が丸見えで、少々恥ずかしい所である。

別格の満願証も掲示してあったので頂けるのであろうが、別格を周り始めたのは愛媛県の途中からでまだ参拝していない別格もあり、今回はおあずけである。

最近貼られた様な、こんな掲示があった。「以前より水には苦労し‥上水道工事が完成する予定だったが、某神社の反対に合い、工事は中断‥トイレが使用出来ません」となっている。
某神社というのは、お隣りさんのことだろう。

納経をお願いしようと、インターフォンを押す。住職の奥さんだろうか、納経してくれ、みかんを三個、頂いた。

自宅に帰ってから、別格の念珠を買うのを忘れていたことに気が付いた。  


Posted by こいったん at 21:21Comments(2)お遍路 第二拝(香川)

2015年01月28日

【450】歩き遍路49日目〈その5〉[2014年2月9日]

この、休憩している広場のようになっている場所でようやく、かなり古くなってはいるが、[20]大滝寺の文字が書かれた看板を発見した。

ここまで歩いて来てやっと、道路標識としての大滝寺の文字を発見したことになるのだろうか。
個人が提げた遍路札もあった。

軽く腹ごしらえをした所で出発する。一休みした合流地点は峠ではなく、さらに上のほうに向かっていく。
周辺の案内らしき看板が何枚かある広い場所があったが、雪に埋もれており近付けず、確認せずに通過する。

「徳島県美馬市」の県境表示板が見えてきた。ここが峠だろう。大滝寺を示す大きな看板がある。
積雪は30cmほどだろうか。西照神社という神社があるようで、ここから入っていく道があった。

樹木にぶら下がっていた二枚の遍路札の赤い文字が、白銀の世界の中で目立っていた。この道が、へんろ地図には載っていないが、県境に沿った尾根を進み、昨日通った長谷に至る道だろう。阿讃縦走道と書かれている。

峠を越えて、大滝寺方面に進む。
右手に、先程入り口があった、西照神社の鳥居があるなあと横目で見ていたら、期せずして、[20]大滝寺の前に到着していた。

時刻は午前9時46分だったので、宿を出てから3時間20分と、想定以上に時間が掛かっていた。
雪道だったことや、車道をショートカットする道を発見出来なかったからだろう。

ずいぶんと小ぢんまりとした感じのお寺である。山門は無く、車道から本堂が見えており、石段を上ってすぐ境内となっていた。  


Posted by こいったん at 22:39Comments(2)お遍路 第二拝(香川)

2015年01月24日

【449】歩き遍路49日目〈その4〉[2014年2月9日]

大屋敷の集落を通過し、[20]大滝寺に向けて、山道を上って行く。
この先にも、車道をショートカットする道があるようだが、これも発見出来なかった。見つけたとしても、この雪では入れなかっただろう。

車道の細い轍に沿って歩いていく。前方が急に明るくなって来た。ようやく峠に来たか、と期待する。
除雪された雪の塊のようなものが見えてきた。「さぬき温泉」からの道との合流地点だった。

広場のようになっており、雑に除雪してあった。麓の眺めも良く、ここで休憩することにした。下は雪なので、う〇こ座りである。
除雪がされているのはこの場所まで。大滝寺まであと少しなので、お寺まで雪を除けてくれてもよさそうなものだが、管理上の何かがあるのだろう。

奥の湯温泉で作ってもらったおにぎりを食べていると、ゴーと大きな音がする。車がやって来たのには驚いた。3時間ぶりの車である。

兄ちゃん二人が乗った、融雪剤か凍結防止剤を撒く車だった。
向こうもさぞ、変な場所で休憩しているお遍路さんに遭遇して、驚いた事だろう。

一人が降りてきて、小さな黒板と共に写真を撮っている。仕事をしました、という証明だろうか。
運転手さんが、塩出ますから、と親切に注意を促してくれ、来た道に融雪剤を撒きながら、下界へと下りて行った。  


Posted by こいったん at 22:16Comments(2)お遍路 第二拝(香川)

2015年01月21日

【448】歩き遍路49日目〈その3〉[2014年2月9日]

大生口と書かれた木柱のある場所で一休みすることにした。雪の上にリュックを降ろす。

所々に新しい看板がある。県境の尾根に沿って遊歩道が縦横にあるようで、その案内であるが、今は雪にすっぽりと覆われており、車道を歩くしかない。ここは大生峠への入り口のようである。

大生口を過ぎ、道はつづら折となり、標高を稼いでいく。
上りきった辺りに、突然、脇道の方に、人の手で除雪された道が現れて驚いた。ずっと先まで続いており、遠くに人家が見えた。こんな場所に人が住んでいるのか。
ここが、大屋敷橋からの歩きの遍路道の出口だったのかも知れない。

もう少し進むと、山の斜面に沿って、何軒かの家が建っていた。このような山奥だと、生活も大変だろう。

ただ、どの家にも誰も住んでいないのだろうか、先の集落と同様に、人が出入りした形跡がない。人の気配が感じられたのは、先ほどの除雪された道の家だけである。

少し展望が開けて、眼下の景色が眺められる場所があり、ごみ集積場もあった。この辺りは、大屋敷という地名のようだ。

ここまで、2時間ほど掛かっている。奥の湯温泉との分岐から[20]大滝寺まで、へんろ地図では6.6kmとなっているので、2時間くらいで行けるかなあと思っていたのだが、予想以上に進んでいない。一生懸命歩いているが、雪道でペースが落ちているのだろう。

この辺りまで来ると、車の轍2~3台分だけがあるのみである。これだけでもとても助かっている。もし轍が無かったら、雪の上を歩かねばならなかったから、もっと時間が掛かり、大変な思いをすることになったであろう。
遍路・巡礼バナーをクリックして頂けるとうれしいです。
  


Posted by こいったん at 22:15Comments(2)お遍路 第二拝(香川)

2015年01月18日

【447】歩き遍路49日目〈その2〉[2014年2月9日]

奥の湯温泉への分岐付近には何軒かの家があったが、その後は全く、人の気配が感じられない。

宿から1時間ほど歩き、へんろ地図にも掲載されているキャンプ場の横を通り過ぎた。その先に、ようやく何軒かの家が見えてきた。久々の人家である。

が、どうも誰も住んでいなさそうな雰囲気だった。ゴーストタウンだろうか。雪が積もっているので、人の出入りなどはすぐに分かる。

元々電器屋さんも兼ねていたのだろう、ナショナル~の看板が出ている。こんな場所に、といった感じだ。裏手には元学校風の建物も見える。
もしかしたら、昔はこの辺りの中心となる集落だったのかも知れない。といっても、全然民家は見当たらないのだが。

少し先に、学校風の建物の入り口がある。きれいなログハウス風だ。「NPOしおのえ」が管理する、何かの施設だったが、大雪のため閉場、という看板が出ていた。

「入電記念碑」という石碑が雪に埋もれている。電気が通うようになった記念碑なのだろう、感慨深い。

もう少し進むと、分岐となった。へんろ地図の大屋敷橋である。
ここまで市営バスのデマンド運行が行われているので、集落があるかと思っていたのだが、辺りに人の気配は全く無く、普通の小さな橋である。

車の轍はそのまま道なりに進む方が優勢となっているが、「大滝山右」の看板に従う。遍路シールも貼ってあり、右を指していた。
へんろ地図では、橋を渡ってすぐに左に入るようになっていたが、そのような道は見つけられず、結局、車道を進むことになった。  


Posted by こいったん at 19:43Comments(2)お遍路 第二拝(香川)

2015年01月08日

【446】歩き遍路49日目〈その1〉[2014年2月9日]

朝は5時40分頃に起床、おむすびを食べて、6時20分に宿を出発した。
事前に、早く出発すると伝えておいたので、入り口の鍵はすでに開けてくれており、フロントにキーを静かに置いて薄暗いロビーを出た。

今日は別格20番の大滝寺を参拝する、30kmほどの行程を予定している。大滝寺の標高は900m以上で、四国遍路の霊場の中では一番高い場所にある札所となっている。

外はまだ真っ暗である。一台の車が街のほうに向かって走っていったが、次に動いている車に出会うのは3時間後である。この先の人気の無さを表している。

気温は氷点下、それもかなり下がっていることは間違いない。道はツルツル、転ばないように気を付けながら道を下り、昨日の分岐までやって来た。
ここから県道153号を歩き、大滝山、[20]大滝寺を目指す。

まだまだ真っ暗の中、どこか少し離れた家の犬が、見知らぬ人間の登場に大きな声で吠えている。

車の轍を歩きたいのだが、道路上のシャーベットになった雪がそのまま凍ってしまい、まるでザキザキの岩の上でも歩いているようで、大変歩きにくい。かといって、雪の上を歩けば足が重くなる。両方、行ったり来たりしながら進んでいった。

少しずつ辺りが明るくなってきた。岩のようだった雪が、緩んできているのが分かる。30分ほど遅く出発してもよかったのかも知れない。
  


Posted by こいったん at 20:59Comments(2)お遍路 第二拝(香川)

2014年12月29日

【445】歩き遍路48日目〈その11〉[2014年2月8日]

夕食は部屋に運びましょうか、とも言われていたが、食堂で頂くことにした。愛想の良いお姉さんが準備してくれる。
他にお客さんはいない。それぞれが希望の場所で食べている、との事だった。

歩いて来たんですね、と話し掛けてくれた。今日の雪道での苦労を少しお話する。この辺り、雪は珍しくはないそうだ。

この宿に泊まるお遍路さんはどれくらいいるのだろうか、聞き逃してしまった。
宿泊料が高いだけあって、料理は立派な会席料理だった。きれいに完食する。

朝食は8時からだったので、おにぎりにしてもらう。明日の朝食・昼食用のおにぎりを5個お願いしておいたが、すでにテーブルの上に用意してくれていた。6個ある。もしかしてサービス?と思ったが、おにぎりは二個で180円という価格設定となっていた。

明日は昼食場所が無いかと思ってお願いしておいたのだが、実際に夏子ダムの販売所までお店は無かったので、頼んでおいて正解だった。

部屋に戻って、テレビを見たりして過ごす。ソチオリンピックの開会式の映像が流れている。冬季オリンピックが始まったようだ。

午後3時半という早い時間にチェックインしたのは初めてである。その後の時間が長く、部屋にいてもすることが無く、退屈だった。


奥の湯温泉:一泊夕食 7875円、おむすび6個540円  〈ひのき・10畳〉
      ※洗濯機・乾燥機?、シーツ・お茶・冷蔵庫あり、部屋に温泉あり、自販機あり
        朝食は8時から
       宿泊客:数組、歩き遍路1名

今年のブログ更新はこれが最後です。これまで、ささやかに続けていたお遍路ブログでしたが、今年初めに「掬水へんろ館」の更新ブログに掲載させてもらうようになって以来、訪問者が急増、毎日30~120人もの方々が来てくれるようになりました。たくさんの知らない人たちに見てもらっていることに少々緊張しつつも、無事に続けることが出来てホッと一息ついています。今年一年、ありがとうございました。良いお年をお迎え下さい。  


Posted by こいったん at 22:07Comments(2)お遍路 第二拝(香川)