2012年03月27日

【115】歩き遍路15日目〈その8〉[2011年9月10日]

休憩を終え、(32)禅師峰寺に向けて出発する時に、ちょうど犬の散歩をしているおじさんがやって来た。しばらく一緒に歩きながらお話をする。
この辺りは仕事が無くて大変である、若い人はみんな出て行ってしまう、と話していた。高知県といえば、日本でも高齢化率の高い地域ではあるが、高知市内に住んでいる人からこういった話が出てくるということは、よほど深刻なのだろう。

幅の広い道路に出ると、道は徐々に上りとなる。トンネルを抜けると南国市である。郊外のニュータウン的な住宅街となった。石土池にぶつかるT字路の所に、東屋があり、近所のおじいさんが休まれていた。池を眺めていると、その方が話しかけてくれた。

どこから、と聞かれ、石川県から、と答えると、その方は、今から50年ほど前の昭和34~35年頃に、石川県の小松基地で働いていたことがある、との話だった。身体を壊してしまい、こちらに帰って来たそうだ。こんな離れた場所にも、地元にゆかりの方がいらっしゃるとは。

石土池についても、水がほとんどなく干上がっていることについて聞いてみると、地震による津波で潮が入ってきてしまい、水を抜いている、と話されていた。

辺りは薄暗くなってきた。おじいさんと別れ、(32)禅師峰寺のふもとにあるはずのバス停を目指して歩き出した。あまり暗くなってからではバス停が発見出来なくなってしまう。

交通量の多い道に出て、トンネルの手前に「峰寺通(みねんじどおりと呼ぶようである)」のバス停を発見することが出来た。時刻は午後6時21分だった。  


Posted by こいったん at 23:21Comments(0)お遍路 第二拝(高知)