2016年04月28日

【3巡目-75】 神山市街から、建治寺、別格2番童学寺、13番大日寺まで 〈その15〉[2015年8月16日]


山門の内側には、たくさんの落書きがあった。

境内に入ると、子供の声が響き渡っている。お寺の子供だろうか。お盆なので、親戚が集まって来たのかも知れない。

以前は納経所だったであろう場所にあったベンチに荷物を置くと、「ぐち聞きわらべ」なる、小さくかわいいお地蔵さんが密かに置いてあることに気が付いた。

頭を撫でて愚痴をささやいて下さい、との事だったので、少しぼやいてナデナデさせてもらった。

「いろは大師」という変わった像がある。
何でも、弘法大師空海が、7歳から15歳までここで過ごし、その間に「いろはにほへと‥」の「いろは歌」を創ったそうである。
もしそれが本当だとしたら、物凄く由緒ある場所ではないだろうか。

他に、白いコンクリートの八十八ヶ所堂も、他のお寺ではあまり見たことがない形式だった。

日本というよりは、中国のお寺のような印象だった。

納経してもらうと、貰い物ですが、とお茶のペットボトルを頂いた。

ゆっくりしたい所だったが、時刻は既に午後3時半を周っていた。急がないと、午後5時には宿に到着しないだろう。

山門で一礼して、[2]童学寺を出立した。  


Posted by こいったん at 20:51Comments(0)お遍路 第三拝(徳島)

2016年04月24日

【3巡目-74】 神山市街から、建治寺、別格2番童学寺、13番大日寺まで 〈その14〉[2015年8月16日]


へんろ地図では、童学寺に向けては「レ」の字のような道となっている。どこかにショートカットが無いだろうか。

資材置き場のような荒地の向こうに、住宅の屋根が見えている。ここから近道が出来ないか、と入ってみることにした。

小さな墓地も見えてきた。これは通り抜け出来るぞ、と思ったが、墓地へと通じる小道は、普通の民家の庭から伸びており、それも横をすり抜けることも出来ず、家の中を通らなければ出られない、という状態だった。この家専用の道のようである。

他に道は見当たらず、あきらめて、来た道をトボトボと戻った。
[2]童学寺からの帰りに発見したのだが、墓地の所からもう少し山手に向かうと、竹藪の中に小道があって、この場所に抜けることが出来るのである。

交通量の多い道へと戻り、麓まで下りて、車用の案内板に従って左折する。
帰りに備えて、どこかに抜け道はないかと探しながら歩く。

道は突き当たりとなる。ため池があり、右手に[2]童学寺の山門が見えた。中国風のかわいらしい山門である。

ため池の堰堤の部分が通路となっている、変わったアクセスで、童学寺に到着した。
見方によっては、ゆるキャラにも見える山門だった。  


Posted by こいったん at 17:40Comments(2)お遍路 第三拝(徳島)

2016年04月20日

【3巡目-73】 神山市街から、建治寺、別格2番童学寺、13番大日寺まで 〈その13〉[2015年8月16日]


行者野橋を渡り、歯ノ辻の集落を過ぎると、峠越えの道となった。
たいした上りではないはずなのだが、昨日の焼山寺越え以来、坂道を見るとげんなりしてしまう。

トコトコと歩き、ようやく新童学寺トンネルまでやって来た。
入口には、車両への注意を促す押しボタンがあったので、ギュッと押して暗闇へと歩を進める。

8分でトンネルを抜ける。温度計があり、28℃となっていた。この時期としては、過ごしやすい温度である。
振り返ると、電光掲示板に「歩行者あり」としっかり点っていた。

へんろ地図の[2]童学寺へのショートカットらしき場所へとやって来た。

遍路シールは左の山手へと誘導しているが、上は行き止まり・☓など、手書きで修正されていた。
[20]大滝寺の夏子ダム周辺のショートカットの遍路シールも、同じようになっていたのを思い出す。

完全に藪となっており、とても通れそうには無い。先へと進む。

車道は一直線の下りとなっている。これ以上下っては、また同じ道を上らなければならない。

下り切った場所に、童学寺への車用の大きな看板が設置されているのが見える。あそこまで行かなければならないのだろうか、とまたもげんなりする。  


Posted by こいったん at 19:21Comments(0)お遍路 第三拝(徳島)

2016年04月16日

【3巡目-72】 神山市街から、建治寺、別格2番童学寺、13番大日寺まで 〈その12〉[2015年8月16日]


「建治寺」に向かっては平成遍路石もあるので、他の歩き遍路さんにもぜひ訪れてほしいお寺であった。

車道に合流すると、後は下って行くのみで、一安心である。
時折、家族連れの車が通り過ぎていく。神山森林公園への行き帰りの車だろう。
先程歩いた道は裏道で、徳島市街に近いこちらがメインルートである、となぜ気付かなかったのだろうか。

一ヶ所、道が二岐に分かれ、どちらに進路を取ればいいのか分からない場所があったが、たまたま通りかかった車と同じ方向に進んで正解だった。

道しるべは無かったが、下方に行者野橋が見える場所で右方向に脇道がある。
へんろ地図の赤い点線はこの道だろう、と森林公園へのメインの道路からそちらの道へと入ってみた。
この道で合っており、行者野橋の袂に下りて来た。

この、行者野橋、歩行者に優しすぎる道と言えばよいのか、歩道を広くとっているため、車道の幅は車一台分しか無い。

結構な長さの橋で交通量も多いが、片側交互通行状態。歩いている分には助かるが、車は一方向しか進めないため、対向車は早く進みたくてウズウズして待っているのが分かる。

杖を突かないように注意して橋を渡り、対岸へと到達した。
狭い道と広い道が交ざっているので、車に気を付けながら歩いて行く。  


Posted by こいったん at 04:04Comments(0)お遍路 第三拝(徳島)

2016年04月12日

【3巡目-71】 神山市街から、建治寺、別格2番童学寺、13番大日寺まで 〈その11〉[2015年8月16日]


お地蔵さんがある一角へとやって来た。ここが、子持地蔵のある場所だろう。

遍路札もあるが、反対向きとなっている。よく考えてみれば、反対方向から「建治寺」へ向かうのが一般的であり、こちらは逆打ちしていることになる。

杭の部分には、「南無大師遍照金剛 唱え歩めば 涙流るゝ」と書かれてある。
未だそういった経験は無いのだが、いつかそんな心持ちになる時が来るのだろうか。

ここからは歩きの道となる。ここも、歩けないことはないが、道は荒れつつあり、数十年後が心配である。

お寺の方が教えてくれた、柿畑がある一角へとやって来た。この場所を左の方へ、と聞いている。

反対方向から来た人用の石標や遍路札もあり、ここを進むようだが、道というよりは、果樹園の一角を歩かせてもらう感じである。

果樹園を過ぎると、夏草に覆われた一帯となった。ここは道なのかどうかも分からなくなったのだが、高い石垣があるので、とりあえず藪の中を進んでみた。

足摺岬の西側を歩いていた時に、同じような場面があって、その時は結局は行き止まりとなった経験が甦り、本当にこの道でいいのかなあ、と不安になる。

草ボーボー地帯を抜けると、下方に車道と平成遍路石が見えてきた。今歩いて来た道が正解だった。  


Posted by こいったん at 19:59Comments(0)お遍路 第三拝(徳島)

2016年04月08日

【3巡目-70】 神山市街から、建治寺、別格2番童学寺、13番大日寺まで 〈その10〉[2015年8月16日]


一休みしていると、作業をしていたお寺の方がやって来て、話し掛けてくれた。

修験道や登山など、山の話が多かったように思う。「建治寺」が役行者による開基となっていたので、そういった話題が出てくるのだろう。
何か、霊験あらたかな印象を受ける。

気が付けば、1時間ほども話をしていた。この方は、住職なのか、寺男さんなのか、聞かなかったので分からないが、9月に入ると山籠もりをする、と話していたことから、住職さんだったのかも知れない。

お寺の方と話をすること自体、滅多に無い事だが、こうやって1時間も話をさせてもらって、自分にとっても印象深いお寺となった。

これから別格2番の童学寺へ向かうことを伝えると、この先の遍路道と目印を、わざわざ紙に書いて渡してくれた。

午後1時半近くになって、「建治寺」を出発する。

(13)大日寺に向けては、「へんろ道保存協力会」の道しるべがあったのだが、[2]童学寺に向かう場合には、別ルートとなる。

お寺の方の指示通りに駐車場の方へと舗装路を下って行く。入れ替わりに、二組の参拝客の人たちがやって来ていた。軽く会釈をする。

神山森林公園で出会ったウォーキングの方が話していた通り、駐車場からの鮎喰川や徳島平野の眺めが素晴らしかった。

駐車場からはしばらく車道を下り、お寺の方が話していた、子持地蔵を目指す。  


Posted by こいったん at 20:02Comments(0)お遍路 第三拝(徳島)

2016年04月04日

【3巡目-69】 神山市街から、建治寺、別格2番童学寺、13番大日寺まで 〈その9〉[2015年8月16日]


建治寺本堂で参拝する。
ご本尊が、「金剛蔵王大権現」となっていたのだが、真言が分からず、そこだけはパスさせてもらった。

箸蔵寺にもあった、天狗の顔らしき額が掛けられており、霊験がありそうな雰囲気を醸し出していた。

大師堂はどこになるのかも分からなかったが、本堂下のお堂に「弘法」と書かれていたので、そこで間違いないだろう。

参拝を終え、納経所へ行くと、納経書きの若い女性の方が座っておられて、驚いてしまった。ブザーを鳴らして呼ぶものだと思い込んでいた。

もしかしたら、先程お寺に到着する時、室内にいるお寺の方に姿を見られたので、自分が納経すると思って待ってくれていたのだろうか。としたら恐縮である。

うっかりして、別格の念珠はありませんか、と聞いてしまい、恥ずかしい思いをしてしまった。

境内にあった木のベンチで一休みする。
歩き遍路のためのような、便利な作りとなっていた。

ベンチに腰かけていると、杖が倒れないように立てて置くのに気をつけなければならないものだが、丁度良い場所に角材があって、斜めに立て掛けておける。

また、靴下を脱いだ素足を置くことも出来るので、快適だった。

他に参拝客も無く、静かなお盆の一時となった。  


Posted by こいったん at 19:41Comments(0)お遍路 第三拝(徳島)