2013年10月31日

【306】歩き遍路35日目〈その7〉[2012年4月25日]

ご老人と話をしながら歩く。道しるべに従って、右に進むと、高鴨神社である。遍路道は、この神社の境内の中を通り抜ける。神社内のどこを歩いていけばいいのか分からなくなるが、何となく下の方に向かえば正解だった。

寺の裏手から横を通り、(61)香園寺に到着した。このお寺は、鉄筋コンクリート造りで、とてもお寺とは思えないような建物である。

一巡目の時もそうだったが、どこに参拝すればいいのか分かりづらい。正面真ん中に参拝スペースがあるが、ここではないような雰囲気である。

本堂と大師堂は、両側にある階段を上り、建物の上部にある形となっている。靴は脱がなければならないので、歩き遍路には少々不便である。
右手には椅子、左手に仏像がある。ここも、どこが本堂であり大師堂なのかが分かりにくい。およその察しをつけて、両方に参拝した。

このお寺はベンチも多く、境内は広々としており、のんびりと休憩するには良いお寺である。ご老人は、八十八ヶ所のお寺には立ち寄るだけ、と話していたから、すでに先へと進んでいったようだ。

(61)香園寺を出発する。国道11号線に出てしばらく進むと、バスターミナルがあった。これから帰宅するので、どれくらいバスが走っているのか、立ち寄ってみた。

これから乗車出来る高速バスは無かったが、新居浜方面への路線バスは本数が多かった。JRの状況によっては利用することもあり得るので、一応写真を撮っておく。

それから、(62)宝寿寺を参拝する前に、すぐ側の伊予小松駅に立ち寄って、列車の時刻の確認をした。こちらも1時間に1本ペースで列車が確保されていたので、利用出来そうである。少し時間はあるが、16時28分の列車に乗ることにした。  


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2013年10月28日

【305】歩き遍路35日目〈その6〉[2012年4月25日]

へんろ地図のH460 と書いてある分岐で写真を撮ったりしている間に、一人のご老人が追い越して行った。遍路衣装では無かったが、お遍路さんだろうか。

分岐を、へんろ地図通りに進む。道は下る一方かと思っていたが、少々上り道もあって、疲れ倍増であった。

先程のご老人の姿が前に見えているが、なかなか差が縮まらない。かなりの健脚である。H310からH180のジグザグコースを下りた辺りでちょうど一緒になり、小さな木のベンチがあったので、休憩とした。

宇和島から来られたそうで、年齢は85才との事だった。少々耳は遠かったのだが、85才で自分と同じペースで山を下りることが出来るとは、すごい方である。この方もお遍路さんだったが、番外を中心に周っており、その納経帳を見せてもらったりした。

休憩を終え、このご老人と一緒に出発する。道は、歩きの道から舗装路へと変わっている。

今日は「ビジネス旅館小松」に泊まる、との事だった。
この宿に泊まり、お肉を腹一杯食べたい気持ちもあって、行程を随分と迷ったのだが、今日いっぱい歩いて帰宅することで、ほぼ気持ちは固まっていた。

白滝奥之院の横を通る。ここは滝行が出来ると聞いた事がある。訪れる人は少なそうな感じだが、ご老人の話では、ここには納経してくれる方が常駐しているそうである。

さらに山を下ると、視界が開けてくる。大谷池には、利用はしていないが、新しいきれいなトイレが完成していた。
へんろ地図では、(甲)と(乙)のコースがあるが、(甲)のコースを選択した。  


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2013年10月25日

【304】歩き遍路35日目〈その5〉[2012年4月25日]

(60)横峰寺を出発する。しばらくは、車道を歩く。バスや車で来て、駐車場から歩いてくる人たちとすれ違う。

ここで前方から、昨日、道の駅湯ノ浦温泉でも一緒だった、千葉県成田の方がやって来た。またお会いできました、と再会を喜び合う。

昨日は、(63)吉祥寺は打てたそうだが、(64)前神寺の納経には、あと10分、間に合わなかったそうである。今日は西条市内まで行くとの事だった。
確か、今回は88番まで歩くと話されていたが、その後、無事に結願されただろうか。

道路脇に道しるべがあり、左下へと下りていく遍路道へと入って行き、ここからは歩きの道となる。ひたすら下り道が続く。

山道では獣対策も兼ねて、頭陀袋に取り付けてある持鈴を外側に出して、音を鳴らしながら歩いている。ちょうど馬の背のような場所に差し掛かった時、その持鈴のヒモが切れて、崖下に落ちてしまった。
鈴を鳴らしながら歩いていると何度かこういうことがあるが、今回は拾いに行けそうにない場所に落ちてしまったので、諦めざるを得なかった。持鈴は結構な値段がするのだが、仕方がない。

へんろ地図のH460と書いてある辺りに到達する。
以前のへんろ地図には、ここから別ルートの道が書かれていたのだが、現在の地図では削除されている。

分岐には古い道しるべも残されている。内子から何度も顔を合わせていた静岡のTさんがお薦めしていた、小松から(60)横峰寺を往復する道は、この分岐を右に進むのだろう。
Tさんや、松山付近で一緒だった北条出身の方も、今日のもう少し早い時間にここを通っているはずである。  


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2013年10月22日

【303】歩き遍路35日目〈その4〉[2012年4月25日]

次第に、周りが明るくなる。重機が置いてあり、木の伐採をしているようだ。
勾配も緩やかになってきたのだが、これまでの登り道で、既に息が上がっており、ほとんど止まっているように歩いた。
少し息を整えれば楽に進めるものを、休まずに登り切ることを目標にしていたからである。

ようやく、右上の方に、山門が見えてきた。最後の急な階段を登り、(60)横峰寺に到着した。登り口から一気に到達出来る体力があることは分かったので、次回からは、周りの風景を楽しみながら、のんびりと歩くことにしよう。

山門から右に10分ほど歩けば番外霊場の「星ガ森」で、鳥居越しに石鎚山を一望できる場所である。一巡目の時に行ったので、今回はパスする。

石造の門柱があり、「石鉄山 横峯寺」と書かれているが、「石鉄山」は「いしづちさん」と読むようである。左手には、前回工事中だった納経所が完成していた。

石段を上り、本堂へ向かう。参道の向こう側に大師堂があり、(61)香園寺へは、山門を通らずに大師堂から向こうに抜けていく形となっている。ちらりと、岐阜の夫婦が見えたような気がした。

参拝を終え、納経所に戻り、近くのベンチで休憩する。若い逆打ちの二人組がやって来た。この先、迷いやすい場所は無いか、と聞かれるが、順打ちと逆打ちでは道の様相も変わってくるだろうから、順打ちでは特に問題は無かった、と答えるしかなかった。

続いて、沖縄のOさんが、息を切らせながらやって来た。Oさんと話をしたのは、これが最後となった。  


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2013年10月19日

【302】歩き遍路35日目〈その3〉[2012年4月25日]

登り口には、「警告 悪路通行注意」と真新しい大きな看板が立っていた。ここ最近は天候も良いので、おそらく危険は無いだろう。

何年か前に、台風の影響で、道が通れなくなった時期があったはずである。現在では復旧しているが、工事の跡が随所に見られた。
急な渓流沿いを歩く所もあるので、大水になると道が壊されるようなことがあるかも知れない。

先程の登り口から(60)横峰寺までの標高差は445mだから、かなりきつい道のりである。

しばらくは普通の山道が続くが、九十九折の勾配のきつい道となってきた。何とか、休まずに歩き続ける。

突然、草むらから一人のお遍路さんが現れた。九十九折りが面倒になったのだろうか、道を短絡して、わざわざ藪の中を通ったようである。逆打ちのようで、今登って来た道を降りて行った。

きつい上りが続き、息が続かなくなってきた。一巡目の時に休憩したベンチの場所はまだ通っていないから、(60)横峰寺はもっと先のはずだ。
めげそうになりながらも歩き続けると、ようやくそのベンチの場所にやって来た。あと一息だろう。  


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2013年10月16日

【301】歩き遍路35日目〈その2〉[2012年4月25日]

大頭のファミリーマートを出発、少し戻って、(60)横峰寺への道を進む。
最初は狭い車道を歩くが、次第に谷間が開けて、道は広くなってくる。特に変化の無い道を、少しずつ高度を上げながら進んでいく。

森の中のくねくね道となり、「喫茶てんとうむし」が見えてきた。こんな所に、といった場所に喫茶店がある。今日は、休業日であり営業時間前ということもあって、そのまま通過する。
一巡目に立ち寄った時には、一般客や歩き遍路さんで賑わっていた。もう少し早くから営業していれば、立ち寄るお遍路さんも多くなるだろう。

湯浪の分岐を右へ進み、山の中の舗装路を進んでいくと、車道は通行止となり、(60)横峰寺への登山口に到着した。
少々汚れているトイレと東屋、そして水が湧き出している場所があり、麓から水を汲みに来る人たちもいるようである。
何台かの車、そしてバイクも止まっているが、ここから横峰寺へ歩いて参拝に行ったのだろうか。

ここで30分近くも休憩をする。沖縄のOさんが来られるかと思ったがやって来ないので、先に進むことにした。

ここから(60)横峰寺まで、休憩せずに一気に登り切ることが、今回の目標である。一巡目の時には、息が続かず休憩を入れたが、今日はどこまでやれるだろうか。  


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2013年10月13日

【300】歩き遍路35日目〈その1〉[2012年4月25日]

朝食は沖縄のOさんと二人だった。岐阜の夫婦は、今日の(60)横峰寺の山登りに備えて、朝早くに出発して行った。足が遅いから、と言っていたが、お二人の脚力なら普通に出発しても大丈夫だったろう。

NHKの朝のニュースを見ながら、女性アナウンサーの目が変、とOさんの笑いが止まらなくなっている。確かにおかしかったが‥‥Oさんは楽しい方である。

朝6時半、女将さんに見送られて「栄家旅館」を出発した。今回の遍路旅、最終日の歩きとなる。同じ頃出発したOさんと、何となく一緒に歩く。

商店街を歩いていると、店のおじさんからニコニコと声を掛けられた。今日は早い時間に一組通っていたそうである。岐阜の夫婦だろう。こうやって、好意的に声を掛けてもらえると、うれしいものである。

丹原の街を通り、中山川の長い橋を渡る。これから登って行く山並みが前方に聳えている。どの辺りに(60)横峰寺があるのだろうか。

一緒に歩いていたOさんに少し先行される。
国道11号との大頭の交差点に差し掛かった。
ここから右に少し行くとファミリーマートがあり、昼食などの買い出しに向かおうとするが、Oさんはそのまま真っ直ぐに遍路道を進もうとしていた。大声で呼びかけ、コンビニの存在を知らせると、こちらにやって来た。

買い出しを済ませると、Oさんは歩き始めて1時間経ったのでここで休憩していく、との事で、先行することにした。  


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2013年10月10日

【299】歩き遍路34日目〈12〉[2012年4月24日]

夕食の時間となり、今日の宿泊客が集まる。
これまで何度か見掛けていたご夫婦とは初めて話をした。ここで、岐阜から来られた方と分かった。
旦那さんは62才だそう。奥さんは、それよりずっと若く見えた。
沖縄のOさんと共に遍路話に花が咲き、楽しい食事となった。

岐阜の夫婦は、自分とOさんとは同じくらいの年齢と思ったようだが、Oさんが20歳ほど年上であると知って、驚いていた。Oさんは歩いている姿など、背筋がピンとして、とても若く見える方である。話していても、同年代のような気がしてくる。

みなさん、明日は「ビジネス旅館小松」に泊まるそうだが、自分はどうしようか。
そろそろ帰宅しなければならないが、明日一日歩いてそのまま帰宅するか、宿に泊まって翌朝帰るかで、歩きながらずっと迷っていた。結論はまだ出ていない。夜の内に高速道路に乗れば、高速料金が随分と安くなるし、時間的に余裕が出てくる。

いつでも行っているサービスがどうかは分からないが、女将さんから、「ビジネス旅館小松」に泊まる方は荷物を運んであげますよ、と申し出があった。岐阜の夫婦やOさんはこれを利用したようである。

部屋には、宿泊したお遍路さんが書いたであろう本などがあり、読んでいると時間が足りなくなった。


栄家旅館:一泊二食 6000円
      ※洗濯代無料、乾燥機100円。浴衣・茶あり。四畳半の部屋。朝食は6時から。
        宿泊客:歩き遍路4人  


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2013年10月07日

【298】歩き遍路34日目〈11〉[2012年4月24日]

旧丹原町内を歩き、普通の住宅街の中にある、本日の宿「栄家旅館」に到着した。

宿の前で沖縄のOさんに会った。良い宿だ、と言っている。一安心した。大分前に到着していたようで、お寺で休憩したり買い物に行っている間に、かなり差がついてしまったようだ。

おっとりとした女将さんに部屋を案内してもらう。入浴を済ませ、食事場所に向かう。

今日のお客さんは、沖縄のOさん、そして松山辺りから何度か見掛けているご夫婦と自分の4名だった。翌日に(60)横峰寺を控えて、もっとたくさんの人たちが泊まっているかと思ったが、意外と少なかった。
もう一つの周り方、(61)香園寺など、小松付近のお寺を先に打つ方法を取っている人たちが多いのだろうか。


本日のコースタイム
笑福旅館5:53→6:26(56)泰山寺6:51→7:29(57)栄福寺→8:24(58)仙遊寺9:10→10:26(59)国分寺10:53→11:53道の駅湯ノ浦温泉12:55→臼井御来迎14:08→16:32栄家旅館


歩行距離:30.2km
 歩数  :46536歩
最高気温:25.7℃
最低気温:11.3℃[今治市]  


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2013年10月04日

【297】歩き遍路34日目〈10〉[2012年4月24日]

今日は、何人かの逆打ちの方々とすれ違っていたが、この辺りで会った方と少し話をした。今日は湯ノ浦温泉の「ホテルアジュール」に泊まるそうである。

おそらく(60)横峰寺を打っているはずだから、小松の方から湯ノ浦温泉まで頑張れば歩けるのだろう。ということは、逆に湯ノ浦温泉から(60)横峰寺を目指せることになる。次回以降の参考にしよう。

家並みが途切れてくると、見渡す限り田んぼが広がるようになってきた。雨や風の日にはつらい道だろうが、一巡目の時に続き、今回も天気に恵まれた。

遍路道は県道155号から右の方に進むことになっているが、旧丹原町内で買い出しをしたかったので、そのまま直進して、店が立ち並んでいたと記憶がある県道48号を少し歩くルートをとった。

一巡目の時には、徹底的に遍路道にこだわって歩いたので、二巡目は臨機応変に道を選択している。

パワーウッドというホームセンターがあり、トイレをお借りした。
少し進むと、ピンクの外壁で「ヤマサン」という建物がある。何の店かな、と思い、中を覗くと、ちょうど探していた大きなスーパーだった。
もちろん遍路衣装のまま中に入り、お菓子や缶コーヒーなどを買い込み、今日の宿、「栄家旅館」へと向かった。  


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2013年10月02日

【296】歩き遍路34日目〈その9〉[2012年4月24日]

世田薬師の手前で左の細い道に入って行くが、トイレに行きたかったので世田薬師の方に行ってみる。道路沿いにすぐ見つかったので、利用させてもらった。

踏切を渡り、県道との突き当りまで来ると、右手の道の遠くに、沖縄のOさんの姿が見えた。道を間違えたのだろう。

先に進み、遍路道沿いにある「臼井御来迎」に立ち寄った。へんろ道保存協力会の道しるべには「番外霊場 臼井の水」と書かれてある通り、確か飲み水にはなっていなかったが、水が湧き出している場所だった。

沖縄のOさんもやって来たが、すぐに出発して行った。今日も、この先の「栄家旅館」で、打ち合わせたわけではないのだが、今晩も同宿である。先程は、世田薬師の所で左に入る分岐を見落としてしまったそうである。

この辺りは、昔は役場のある一つの町だったのだろうか、住宅や商店が狭い道に並んでいる。その一角にあるお寺でトイレをお借りした。
境内の一角には、安価で泊まれるスペースを提供していた。善根宿だろう。山門脇にあったベンチに座り、お菓子を食べながら一休みした。

お寺を出発、ちょっと寄り道して、へんろ地図にも掲載されている「ビジハウス・イン国安」はどんな宿かなー、と前を通った。

遍路道に戻る。東予西中ではソフトテニス部が活動していた。しばらく様子を眺めていると、生徒さんらがきっちり挨拶してくれた。おそらくかなりの強豪校だろう。
周りの風景を眺めながらのんびりと歩く、午後のひと時である。  


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