2016年01月30日

【3巡目-56】 11番藤井寺から12番焼山寺、神山市街まで 〈その15〉[2015年8月15日]

「杖杉庵」の平らな石の上に腰掛けて、リュックを背負ったまま身体をそらして息を整えた。

銅像の衛門三郎さんの姿が憐れである。腰を曲げたお大師さんも珍しいのでは。
出発しようと腰を上げると、入れ違いに黄緑色のリュックの方もやって来た。

道路脇の小道を下りて行くと、前方上に、別の梅干し無人販売所が見えた。
小袋があれば、ともう一度車道に戻って覗いてみるが、ここも同じく一袋300円だった。あきらめて、遍路道へと戻る。

果樹園脇の夏草に覆われた場所を過ぎると、再び幅が広めの、デコボコの歩きの道となる。
ジグザグと下り道が続く。

下りは、足のつま先に靴があたり、苦手である。(12)焼山寺に向かっている時に感じた左膝の違和感がやや感じられることからも、ゆっくりと進んで行く。

そこに、黄緑色のリュックの方がドンドン近付いて来て、追い越して行った。なかなか、早いペースで下っていた。山歩きに慣れているのだろうか。

1時間程山道を下り、ようやく鍋岩の集落までやって来た。
車同士がすれ違えない区間を抜けると、「おへんろ駅」や新しいトイレ、そして「すだち館」がある一角に到着する。

「おへんろ駅」はこれまで営業している所を見たことが無いが、もしかしたらここは観光バスの駐車場で、マイクロバスなどに乗り換える場所なのだろうか。新しいトイレの存在も納得出来る。  


Posted by こいったん at 22:13Comments(0)お遍路 第三拝(徳島)

2016年01月25日

【3巡目-55】 11番藤井寺から12番焼山寺、神山市街まで 〈その14〉[2015年8月15日]

これまでの(12)焼山寺では、一巡目・二巡目と、一緒に遍路ころがしを歩いて来たお遍路さんたちと健闘を称え合いながらの休憩だったが、今回は一人っきりである。何とも、味気無いものである。

今回、唯一会話をした、「長戸庵」から「柳水庵」の間で出会った名古屋の青年は、既に先へと進んだのだろう、姿は無かった。

(12)焼山寺で大休憩を、と思っていたが、何となく退屈で、1時間程で出発することにした。

ここからの下り道が意外と長く、歩きにくくて、気を付けなければならない。車が一台、通れるほどの幅の道が、この先、麓の集落まで続いている。
現在では、デコボコしていてとても車が走れそうにもないが、かつてはこの道路がメインだった時代があったのだろうか。

何度か車道を横断し、30分少々歩き、ようやく舗装路となる。

そこに、可愛らしい、梅干し売りの無人販売所があった。
健康雑誌で、梅干しの効能を読んだばかりであり、塩分補給にも良いかなあと思ったが、一袋の量が多く、持って歩くと潰れて大変な事になる可能性もあるので、諦める事にした。

こういった販売所でお買い上げをしたことが無かったので、絶好の機会だったのだが。100円くらいの小袋があれば良かった。

衛門三郎と弘法大師空海が出会ったという「杖杉庵」は目の前である。  


Posted by こいったん at 19:51Comments(0)お遍路 第三拝(徳島)

2016年01月20日

【3巡目-54】 11番藤井寺から12番焼山寺、神山市街まで 〈その13〉[2015年8月15日]

山門をくぐると、白い石の絨毯に、立派なスギの大木が並んでいるのが印象的である。

まずは、納経所横の休憩所に、水のたっぷり入った重いリュックを下ろす。
5.5リットルの水分を用意してきたが、飲み干したのは、1.5リットルほどだった。

軽くなった身で石段を上り、まずは鐘を撞かせてもらった。遍路ころがしを歩いているかも知れない人たちに届いただろうか。

本堂・大師堂と般若心経を唱えて参拝する。
いつの間にか、若い歩き遍路さんが到着していたようだ。携帯をいじっている。

一巡目の時にお世話になった食堂は、今回も戸が閉じられていた。もう営業していないのだろうか。

納経所横の休憩所に戻り、納経して頂く。
歩きですか、と聞かれ、この暑い中大変ですね、と労いの言葉を掛けてくれたのだが、恐らく駐車料金回収のための声掛け、と素直に喜べないのはひねくれているのだろうか。

おにぎりを食べて腹ごしらえをする。
その内、黄緑色のリュックの方や、その他の参拝客も、ここの休憩所へやって来て一休みしていた。

歩きらしき青年二人組がやって来て、黄緑色のリュックの方と再会を喜び合っているのだろうか、うれしそうに話をしていた。

今回の遍路旅で出会った歩きの方は、明日、明後日と誰にも出会わなかったので、この焼山寺で見掛けた4人と名古屋の青年の、計5人だけだった。  


Posted by こいったん at 18:41Comments(0)お遍路 第三拝(徳島)

2016年01月15日

【3巡目-53】 11番藤井寺から12番焼山寺、神山市街まで 〈その12〉[2015年8月15日]

遍路ころがしの最後のきつい区間を何とか上りきると、前方が明るくなってきた。
幅の広い林道に到達した。ここまで来れば、後は緩やかな上りで、厳しい道は終了である。

木のベンチが置いてあり、一息つけるようになっていた。自分とほぼ入れ違いに、黄緑色のリュックの方が出発していった。
先程ゆっくりと休んだばかりなので、ここは息を整えただけで、すぐに出発する。

緩やかな林道を進む。50mほど前方には、黄緑色のリュックの方が歩いている。その後ろ姿を見ていると、道端のお地蔵さんには全て、片手を上げてお参りしているようである。

舗装道に合流し、(12)焼山寺の敷地内に入って来た。
ここからどこを進むのか、前回は矢印の向きが分からなく、少し迷ったのだが、今回は新しく分かり易いように改良されていたので、すぐに順路が分かった。

駐車場から続いているのだろうか、玉垣の内側へと入り、参道を進む。この参道が意外と長いのだが、7分で山門までやって来た。
午後0時15分、ようやく、(12)焼山寺に到着した。

(11)藤井寺を出発したのが、午前6時39分だったので、所要時間5時間36分である。

これまでで一番時間が掛かっていることになるが、万が一の場合には途中で引き返すことも考えていたことから、無事に到達出来て、満足している。  


Posted by こいったん at 21:48Comments(0)お遍路 第三拝(徳島)

2016年01月11日

【3巡目-52】 11番藤井寺から12番焼山寺、神山市街まで 〈その11〉[2015年8月15日]

左右内集落を過ぎ、側溝の蓋の遍路道を通り、果樹園を抜け、道を下って行くと、左右内谷川に架かる橋となる。

へんろ地図を見ていて気が付いたのだが、この川が、後ほど歩くことになる神山方面への道沿いを流れていた川の上流部分にあたるようである。

この辺りは、へんろ地図のH400地点である。(12)焼山寺はH700となっているから、これから300m上らなければならない。ここからが一番きつい区間という印象だ。

とそこへ、前方から(11)藤井寺を出て間もなく追い越していった、トレイルランをしているようなおじさんがやって来た。焼山寺まで走って、これから帰る所だろう。

最後の難関に挑む。やっぱりこの上りはきつい。
立ったままの休憩を繰り返し、息を整える。

二巡目に休憩した丁石のある場所まで頑張ろうと思ったが、もう限界。一つ手前の十二丁の丁石のある場所で、腰を下ろして休憩することにした。
丁度、大木の根っこの上に座れそうである。

ぐったりしていると、鈴の音が次第に近付いてくる。黄緑色のリュックを背負ったお遍路さんがやって来た。
先程、名古屋の青年が話していた、50代くらいの男性を追い越してきた、というのは、この方だろう。60代に差し掛かっているだろうか。

さすが、この真夏に歩き遍路を敢行するだけあって、丁石を片手で拝み、颯爽と通過していった。ある程度、体力に自信があるのだろう。

今回見掛けた数人の歩き遍路さんの中で、自分より年上と思われたのは、この方だけだった。  


Posted by こいったん at 21:33Comments(0)お遍路 第三拝(徳島)

2016年01月07日

【3巡目-51】 11番藤井寺から12番焼山寺、神山市街まで 〈その10〉[2015年8月15日]

へんろ道保存協力会のHPよりお借りしました。

一巡目に(12)焼山寺へ向かっていた時、確か、この写真の場所を通過し、印象に残っていました。

二巡目の時に、この場所への再訪を楽しみにしていたのですが、発見出来ませんでした。
今回、三巡目でも、やはりこの写真の場所は分かりませんでした。

道しるべには、「焼山寺」の文字が見られることからも、焼山寺への道のどこかに間違いないと思うのですが、どうなのでしょうか。思い違いをしているのか、遍路道が変わったのか。

左右内集落までやって来た。
ここから先、休憩する場所は無いはずなので、写真の、集落入口付近で荷物を下ろして 一休みすることにした。
タクシー会社の真新しい看板が設置されている。ここで力尽きた歩き遍路用だろう。

ツクツクボウシが鳴いている、のどかな、夏のひと時である。
10分程休憩して、出発した。

集落の中の、家と家の間の、歩く人だけが通れるような生活道路を通り、一旦車道に出た。
しばらく下って行くと歩きの道となるが、側溝の蓋の上が遍路道となっている。このような区間も珍しいのではないだろうか。

  


Posted by こいったん at 20:44Comments(0)お遍路 第三拝(徳島)

2016年01月03日

【番外】謹賀新年 2016

新年、あけましておめでとうございます。
本年も、 「あぜ道コロコロ歩き旅」をよろしくお願い致します。

二巡目に長々と旅日記を書いてきましたので、三巡目はあっさりと書くつもりでしたが、より一層、くどくどしくなってしまいました。
自分でも読み返す気にならない。。。

実際は、言葉足らずでおちゃらけ人間なのですが、文章となると、真面目でくどくなるのが可笑しいです。

今年こそは、お遍路中に、「あぜ道コロコロ」の方ですか? とか、遍路後に、あの時の〇〇さんですか? とブログでバレたりといったことが起こらないかなあ、と思っています。
ブログを書いている事は誰にも話していませんので、密かな楽しみです。

写真は、年末年始を過ごした、北海道・十勝地方の風景です。  
タグ :歩き遍路


Posted by こいったん at 21:20Comments(0)その他