2013年06月27日

【264】歩き遍路31日目〈その5〉[2012年4月21日]

(47)八坂寺を出ると、ため池の横を通る。分岐には、これまで見てきた色々な種類の遍路シールが一同に会して、何枚も貼ってあった。

平野部に出て来たので、シールも貼りやすくなってきたのだろうか。「松山市」の名が入ったシールもあるのは、市をあげて歩き遍路を応援してくれているようでうれしい。

県道に出る。両側に水路があり、車のすれ違いも難しい道であるが、路線バスの通り道ともなっており、前方から大きなバスがやって来てビックリした。
通りには、別格9番の文殊院もあるが、観光バスなどはどうするのだろうか。

[9]文殊院の前を通る。大きな弘法大師像があり、かなり目立っていた。
今日の宿は道後温泉のどこかになるが、(51)石手寺の納経を終えておかないと、明日またお寺に戻らなければならなくなるので、少々気が急いていた。そのため参拝はせずに、先へと向かった。

後で調べた所、ここは、「衛門三郎」の邸宅があった場所と伝えられているらしい。「衛門三郎」は四国遍路の開祖とも言われている人物である。立ち寄っておけばよかったが、仕方ない。
別格は、参拝したりしなかったりと、その日の状況次第である。

雰囲気のある狭い道を歩いていると、「スーパーえばら」の大きな看板が出ていた。何か食べる物を買って、この先の「札始大師堂」で食べることにしよう。弁当に伊予柑、缶コーヒー、菓子を買い込んだ。

スーパーの袋をぶら下げて歩く。
「右・松山道」の古い石碑に従って、右手に入って行った。  


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2013年06月24日

【263】歩き遍路31日目〈その4〉[2012年4月21日]

午前10時、(46)浄瑠璃寺に到着した。

約20㎞を4時間で歩いている。こんなに早いペースのはずが無い。浄瑠璃寺までのへんろ地図の距離が違っているような気がする。実際よりも5㎞ほど長く書かれているのではないだろうか。

本堂に向かうには、土の道を歩いていく。静岡のTさんが、この感じが良い、と言っていたが、確かに良い雰囲気である。
どこもコンクリートの参道になっているから、土のままなのは、このお寺ぐらいかも知れない。

境内はそれ程広くはないが、説法石や仏足石があるなど、バラエティに富んでいる印象がある。

Tさんには先に行ってもらい、少し休んでから(47)八坂寺へと向かった。
これまでは、山間部というか、森や林の中を歩くことが多かったのだが、ここからは、都会というか、普段見慣れた感じの町の風景が広がるようになる。

指示に従って右に左に進むと、10分足らずで(47)八坂寺に到着した。「ウォーカーズ」にも出てくる山門である。

地獄の道・極楽の道と案内が出ていたので行ってみると、閻魔堂の両脇に短いトンネルがあり、一方には地獄の絵、極楽の絵が飾ってあった。

静岡のTさんの姿もあったが、早々に出発していった。今日は道後温泉の「ビジネスホテルさくら」と言っていた。元ラブホテルという話を聞いていたが、Tさん曰く、便利で良い宿だとの事だった。

昨日、(49)浄土寺近くの「そらともり」という宿に連絡したのだが、前日の17時までの予約だったら8000~9000円?と言っていただろうか、それを過ぎているので倍の値段になります、と言われてビックリしてしまった。17000円?。
もちろんお断りした。お遍路さんが泊まる宿では無いようだ。今日の宿を早々に決めなければならない。  


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2013年06月21日

【262】歩き遍路31日目〈その3〉[2012年4月21日]

歩き遍路の休憩所「坂本屋」で、お茶を頂きながら一休みした。

応対してくれたおじさんの話では、平日は仕事をしている人が多いので、人手の関係から土日のみ開くことになったそうである。仕事が休みの日にこうやって時間を割いてくれるとは、有難いことである。
今日は、自分が初めてのお遍路さんとの事だった。

その内、「笛ヶ滝」に泊まっていた、静岡のTさんがやって来た。手伝いのおじさんに声を掛けられて立ち寄ったのだが、休憩場所や時間までも決めて歩かれているので、少し休んで早々に出発していった。この先の網掛石で休む予定だそうである。

おじさんに写真を撮ってもらい出発した。
網掛石まで来ると、静岡のTさんが休んでいた。せっかくだから、と一緒に(46)浄瑠璃寺へ向かうことになった。

Tさんは通し打ちとの事だが、スーパーカブで静岡からやって来て、(66)雲辺寺麓の「民宿岡田」にバイクを置かせてもらい、そこから歩き始めたそうである。

どこかで聞いた事がある話である。どうやら、「掬水へんろ館」の談話室に度々書き込みされている方のようだ。ご本人に確認はしていないのだが、間違いないだろう。有名人に出会ったみたいでうれしかった。

この談話室、残念ながら、現在は休止中である。遍路情報があふれている素晴らしい掲示板だったのだが。復活を願っている。

山裾の、のどかな田園地帯を進む。話をしながら歩いていると、あっという間に(46)浄瑠璃寺に近付いてきた。門前には、遍路宿の「長珍屋」がある。一度泊まってみたいのだが、今回も行程が合わなかった。  


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2013年06月18日

【261】歩き遍路31日目〈その2〉[2012年4月21日]

三坂峠に向かって国道を進むが、先の新しい道路が完成したためか、車通りも少なくなり、すっかり静かになった。

久万の宿を出て1時間半、「松山方面へは通り抜け出来ません」の看板が登場した。ここからは歩きの道となる。

右手の遍路道に入るが、峠付近で一旦国道に出て、自販機のある場所で一休みすることにした。しかしながら、寒くて早々に歩き始めた。

遍路道に戻る。貸別荘として使われていたのだろう、廃屋は3年前と同じように残っていた。

ここからは、ひたすら下り坂である。一巡目の時には、この下りはいつまで続くのだろうか、と思わせた道である。覚悟をして下る。
逆打ちだったら、延々と続く上り道となり、かなりの難所となりそうである。

視界が開ける場所がある。霞がかかっているが、これが晴れれば、松山市街まで見渡せそうである。

つづら折りの山道を下り続けると、ようやく簡易舗装の道となった。意外と早く麓まで降りて来た感じがした。覚悟をしていたから、却って早く感じたのだろうか。

接待所として知られている坂本屋までやって来た。土日のみ開いているが、運良く今日は土曜日だった。手伝いの方が声を掛けてくれたので、一休みしていくことにした。  


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2013年06月15日

【260】歩き遍路31日目〈その1〉[2012年4月21日]

早朝6時5分に「ガーデンタイム」を出発した。

すぐ隣には「笛ヶ滝」があり、静岡のTさんらしき方が食事をしている姿が見えた。Tさんが話していたが、朝食、特にご飯をしっかり食べないと、エネルギーが出ない、と。確かにその通りだと思う。

これまで、午後遅くになると、日によって力がガクンと落ちる日があった。よく思い出してみると、そういった日は、宿での朝食を取らずに自分で買ってきた物を食べた日と関係している。
ただ、遍路旅に出ると、お遍路さんの朝食は6時台に食べなければ、という気持ちになってしまい、7時以降というのはお断りすることが多い。

宿を出てから、旧道に戻り、歩くことにした。再び国道33号線に出る。少しずつ標高を上げていく感じだ。

(43)明石寺までは、前になり後になり、誰かお遍路さんが歩いていたのだが、ここ数日は出会う人がめっきり減ってしまい、何となくモチベーションが上がらなくなってしまった。こんな平日に、それも長期間歩けて幸せなのだが。

宿を出て1時間ほど、「桃李庵」の近くまで来ると、三坂峠をパスするのだろう、三坂道路の分岐があった。
周辺は、桜が咲き誇っている。二週間前、七子峠に向かう大坂遍路道でも桜が満開だったが、ここでも満開の桜を見ることが出来た。正に花へんろである。  


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2013年06月12日

【259】歩き遍路30日目〈14〉[2012年4月20日]

本日の宿「ガーデンタイム」に到着した。
受付をしていたのは、今時の若いお兄さんだった。夕食を作ってくれたのは若いお姉さんだったから、若夫婦が跡を継いだのだろう。
少々古いビジネスホテルという感じの宿だった。

残念だったのは、朝食が7時からだった事だ。もしかしたら朝食に洋食が出るかなーと思って、このおしゃれな名前の宿に予約したのだが、7時では遅すぎる。

明日は、(51)石手寺がある道後温泉まで頑張って歩かないと宿が無いので、遅くても6時半にはお願いしたかったのだが、仕方がない、朝食は無しにしてもらった。

大浴場がある、との事で早速利用した。変わったお風呂だったが予想以上に良く、常にお湯が注がれており、気持ち良く浸かることが出来た。
洗濯機もたくさんあったことから、仕事のお客さんも多く泊まるのだろう。

夕食はレストランにて頂く。地元の方もやって来て、お姉さんと話をしていた。スナック的な役割もあるようだ。愛想が良い方で、他所からこの町へお嫁に来たとの事だった。食事はとても美味しかった。

万歩計を見ると、57000歩を越えていた。これまでの最高歩数となっていた。


ガーデンタイム:一泊夕食 5700円 
      ※洗濯代・無料。乾燥機20分くらいで200円。共同冷蔵庫・自販機あり。
    宿泊客:歩き遍路1人?、一般客?人


歩行距離:33.1km
 歩数  :57470歩
最高気温:18.0℃
最低気温:10.6℃[久万高原町]  


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2013年06月09日

【258】歩き遍路30日目〈13〉[2012年4月20日]

河合の集落を出て、峠御堂トンネルまでやって来た。
ここから(44)大寶寺へ向かうには、トンネルをくぐるルートと山越えルートがある、とへんろ札が出ている。
山越えは200m短いようだが、前回歩いたことがあるので、トンネルを抜けることにした。

このトンネルは危険と聞いていたので、どんなものか通ってみたかったというのもあるが、もう山を越える元気が無かった、というのが正直な所かも知れない。

今日は(45)岩屋寺までひたすら歩いたので、疲れてしまっていた。

やはり、峠御堂トンネルは歩道が無く、路肩部分も狭く、怖いトンネルだった。幸い、交通量はそれ程ではなかったので助かった。
トンネルを抜けて、車道をショートカットする道に入り、(44)大寶寺に到着したのは午後4時半過ぎだった。
へんろ札には、トンネルから1.8㎞となっていたが、歩き続けて32分掛かった。実際には、もう少し距離があるように感じた。他に近道があったのだろうか。

一巡目の時には、たちばな旅館から古岩屋荘まで歩いたが、今回はゑびすや旅館から古岩屋荘を越えて久万の街まで行くことになるから、よく頑張ったと思う。

44番目の札所だから、ちょうど半分のお寺を打ったことになる。今回の区切り打ちも二週間、14日目となっている。

納経所前のベンチで休んでいると、一組の家族が納経所の中へ。お寺の方の荒げた声が聞こえてきてヒヤリとしたが、その後、何事も無かったように楽しそうに話している。
喧嘩にでもなったのかと思ってしまった。

時間はもうすぐ午後5時である。久万の町へと降りて行く。町中を通り、国道33号線に出た。ちょうど松山生協久万店があったので、買い出しをする。夕時の買い物タイムで賑わっており、遍路姿は結構目立っていたかも。

午後5時30分、本日の宿「ガーデンタイム」に入った。


本日のコースタイム
ゑびすや旅館6:13→下坂場峠7:57→農祖峠入口8:38→農祖峠9:02→国道33号線9:38→10:18中野村バス停10:34→槇の谷分校跡11:18→八丁坂茶店跡11:58→12:39(45)岩屋寺13:35→16:25(44)大寶寺16:54→17:29ガーデンタイム  


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2013年06月06日

【257】歩き遍路30日目〈12〉[2012年4月20日]

歩きの遍路道から車道に合流した所で、記念撮影を行った。
ここからへんろ地図では県道が遍路道となっているが、へんろ札は対岸の道へと誘導している。こちらは、のんびりと歩ける道である。

対岸の道を歩いていると、川向こうの県道沿いに、「いやしの宿八丁坂」という新しい宿が開業していた。この宿は、無料冊子の「伊予二十六ヵ寺参り」に掲載されていたので、存在は知っていた。

歩き遍路的考えでは、この辺りには他の遍路宿があるので、別の場所にあった方がうれしいのだが。

県道に合流し、有枝川の橋の上で、向こうから見覚えのあるお遍路さんがやって来た。一週間ほど前に、土佐清水ですれ違った、30才くらいの若い男性のお遍路さんだ。
こちらは懐かしくてうれしかったのだが、前に会った時と同じように、あくまでクールな感じだった。どういった思いがあって遍路をしているのだろうか。

河合の集落に到着する。看板があり、かつて河合には15軒の遍路宿があり多い日には一晩300人の宿泊があった、ここに荷物を預けて(45)岩屋寺へと往復した、とある。今では一軒も遍路宿は無い。

ここに荷物を預けた、という事は、ここから千本峠を越えて高野の集落経由で三坂峠に向かうのがメインルートだったという事だろうか。

一巡目の時にはこのルートを歩いたのだが、今回の遍路旅で持参した、第9版のへんろ地図では、このルートはなぜか消されてしまっており、高野の休憩所マークだけがぽつんと残されている。  


Posted by こいったん at 20:45Comments(2)お遍路 第二拝(愛媛)

2013年06月03日

【256】歩き遍路30日目〈11〉[2012年4月20日]

(45)岩屋寺にて1時間過ごし、下山する。ここから麓までは、幟がはためく参道を下る。下から、参拝の人たちが息を切らせながら登ってくる。

このお寺は、おそらく本堂側まで車を乗り入れることは出来ないのではないだろうか。お年寄りも、この道を休み休み上がってくる。

土産物屋などが並んでいる一角を過ぎ、麓に降りてきた。遍路道は、橋を渡る手前で左に入って行くが、前回歩いているので、今回は車道を進むことにした。
「古岩屋荘」横にあるトイレ付の休憩所で一休みする。ここからは、歩きの遍路道に入る。

へんろ札が少なくやや不安になるが、前方からお遍路さんがやって来た。どうやら、道は間違っていないようだ。

(44)大宝寺までの間に5人の歩き遍路さんとすれ違った。旧小田町辺りに泊まった人たちだろうか。
これまであまり見掛けなかったが、近くを同じ様に歩いているお遍路さんがいるようである。

森の中の寂しい道であり、少々のアップダウンがある。ほんの少し開けた場所に、一軒の民家があらわれた。畑には作物が植えられている。このような場所で、どのような暮らしをしているのだろうか。  


Posted by こいったん at 20:35Comments(0)お遍路 第二拝(愛媛)