2013年02月05日

【203】歩き遍路25日目〈その5〉[2012年4月14日]

しばらく愛媛のSさんと一緒に歩いたが、松尾峠への登り口で、後で追いつきますから、と先に行ってもらい小休憩をした。

山道は少々自信があるので、その内追いつくだろう。ここで衣服の調整を行う。汗かきなので、山道に差し掛かる時には、出来るだけ薄着になって登るようにしている。

この松尾峠を前回歩いたのは、2008年の9月である。気温は30℃以上あっただろう、なんときつい山道だ、と思ったものである。
しかし、今回は4月、外気温によってやはり全然違う。もちろんきつい山道なのだが、悲鳴をあげるほどではない。順調に上り続ける。

愛媛のSさんにも追い付き、一気に追い越して、正午過ぎ、松尾峠に到着した。

ここからは伊予の国、愛媛県となる。
ちなみに、宇和島市の手前にも同じく「松尾峠」があり、少々ややこしい。

まだ力が残っていたので、峠の解説版をサッと読んだり撮影してから、そのまま峠を下った。
松尾峠には、一日に200人の人たちが通り、茶屋が2軒あった時代が、約80年前まで続いていたそうである。

峠を下った先に、きれいなトイレがある休憩地点があるはずだから、そこを目標にして歩き続けた。  


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2013年02月02日

【202】歩き遍路25日目〈その4〉[2012年4月14日]

宿毛市内では、一巡目に通ったことがある遍路道ではなく、一本北側の道を歩いてみた。

モーニングがある喫茶店でも無いかなーと探していると、上手い具合に「マミむ」という喫茶店があった。
オールディ・モーニングと書いてあり、午後4時までやっているようだ。
少々勇気を出して、入ってみることにした。

店内に入ると、突然現れたお遍路さんに、ヒャーッという感じだった。ここは遍路道沿いではないので、お遍路さんが来ることは無いのだろう。500円のセットを頼んだ。
店員の高校生ぐらいのおねえちゃんは興味津々な様子で、何日目ですか?と質問が。なかなか感じの良い子だった。午前中の腹ごしらえを終え、出発した。

宿毛市街を抜けると、遍路道は何度も丘を登っては平地に降りるを繰り返すはず。

ここも一度通ったことがあるので、今回は県道7号線を通ってから北上し、遍路道に合流するルートを歩いてみた。田舎道ではないのだが、牛の姿も見られた。

分岐には、たまに見かける、文字が消えてしまった緑のテープが残っていた。こちらを歩く人もいるのだろう。 

へんろ地図で10.6kと書かれた大深浦の辺りで、通常の遍路道と合流するが、ずっと先に進んでいると思っていた愛媛のSさんが、ちょうど歩いてくるのが見えた。「おーい」と声を掛けると気付いてくれた。

宿毛市街からの、上ったり下りたりの道が最高に良かった、由岐の俳句の小径に匹敵するぐらいだ、というような話をしていた。

自分が以前通った時には、峠に向かうかと思えば平地に戻ったりを繰り返し、少々うんざりだったので、人によってこうも感じ方が違ってくるものなのか、と思った。  


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2013年01月30日

【201】歩き遍路25日目〈その3〉[2012年4月14日]

(39)延光寺を出発、一本南側の遍路道を発見すべく、注意深く遍路シールを探しながら歩いたのだが、気が付くと国道56号線の辺りまで来てしまっていた。

一本向こうの道路が三原方面から延光寺に向かう遍路道となっており、一人のお遍路さんが対向していった。

国道に出て、宿毛市内へと戻る。一旦旧道に入った所で、向こうから見覚えのある方がやって来た。「民宿叶崎」で同宿し、「大島屋旅館」に泊まっていた、福島県喜多方の方だ。
今回は(39)延光寺で区切り、平田駅から帰るそうである。「人生、これからやぞ」と励ましてもらい、お別れした。

宿毛大橋を渡って右折すると、荷物を背負った愛媛のSさんの姿が遠くに見えた。(40)観自在寺は反対方向なのだが、なぜここにいらっしゃるのだろうか。
後で聞くと、道に迷わないように、念のため遍路道に戻ってきたとの事だった。

丁度午前10時に、宿へと帰り着いた。少し急いで歩き、往復3時間だった。
預かってもらっていたザックを受け取り、「米屋旅館」を出発した。

旅館のあるアーケード街を少し探検してみた。横丁に入ってみると、ほとんどの店が廃業しており、パチンコ屋などの跡が残っていた。郊外大型店が出来る前は、さぞかし賑わっていたのだろう。  


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2013年01月27日

【200】歩き遍路25日目〈その2〉[2012年4月14日]

(39)延光寺までの道中、順調にいけば、川崎のOさんたちとすれ違うかも知れない。

途中二つのルートがあるので、行きは、へんろ地図で点線となっている少し丘に登る道、延光寺の手前からは、東押の川のバス停がある辺りから脇道を通った。

予定通り、川崎のOさんと土佐清水市街で別れて以来、二日振りに再会した。今日は(40)観自在寺の少し先にある「民宿磯屋」に泊まるそうである。

他に10人近くの歩き遍路さんとすれ違ったのには驚いた。今まで、それ程お遍路さんとは会っていなかったので、こんなにたくさん、同じ頃に同じ方向に向けて歩いている人たちがいたとは思わなかった。

「米屋旅館」から1時間ちょっとで、(39)延光寺に到着した。荷物が無いとはいえ、宿から6.5㎞をノンストップは疲れた。

寺には愛媛のSさんが先着しており、既に参拝を済ませていた。境内で財布を落としてしまい、つい先程まで大慌てしていたそうである。無事に見つかったらしい。

こちらも参拝し、駐車場で一服してから、宿へと戻った。帰りは、寺を出てからすぐに右折せずに、もう一本南側の道を通ってみることにした。  


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2013年01月24日

【199】歩き遍路25日目〈その1〉[2012年4月14日]

朝食は6時からだったが、なんと、寝坊してしまい、目が覚めたのは6時25分だった。
寝坊したのは、吉良浜の「蔵空間茶館」以来だろうか。

慌てて食堂へ向かうと、愛媛のSさんは既に食事を終えて自室に戻っていた。
早くに起きて、(39)延光寺に参拝してきた富山の方と朝食となった。今回は納経をしないで回っているので、納経時間は気にしなくてもいいそうだ。それにしても、延光寺まで往復して一緒に朝食とは、とても元気な方である。

富山の方は、にこやかな、いい顔をして食事を摂っている。楽しんで遍路をしているんだなーということが伝わってくるようだ。

宿代の支払いをすると、ご主人から名刺を渡された。
米屋旅館の読み方は、「こめや」さんかと思っていたが「よねやりょかん」と振り仮名がしてあった。

朝7時に、富山の方と共に出発となり、大月方面へと歩いて行った。
宿の方には、これから(39)延光寺に向かうので、荷物を置かせてもらえないかお願いすると、快く応じてくれた。

これまでずっと、荷物を背負ったまま歩くことにこだわり続けていたので、こうやってザックを預けたのは初めてである。寝坊して出発が遅れてしまったことが影響したのかも知れない。  


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2013年01月17日

【198】歩き遍路24日目〈10〉[2012年4月13日]

←少々昔風の宿泊者名簿に記入する

入浴を終え、食堂に行くと、既に宿泊者の方たちが食事をしていた。

一般の方4人組、そして歩き遍路は、愛媛のSさんと初めて見かける方が、会話をしている。話を聞いていると、富山から来られたようである。
浦の内湾で福井の方に会って、今度は富山の方と出会えた。

この方、富山県南砺市から来られたそうで、金沢市とは県境を挟んで隣同士である。
確か、遍路2~3回目だったかで、今回は、日数が限られていることから、公共交通機関もたまに使いながらの逆打ち、との事だった。60代前半くらいだろうか。
バスにはお客さんが全然乗っておらず、宿毛まで貸切だったそうである。

明日は早起きして(39)延光寺へ往復し、宿に戻って朝食を食べてから月山神社の方へ行こうか、どうしようかと話していた。
同じ北陸人に、それも高知県の端っこで出会えて、うれしい限りである。

食事もとても美味しく頂きました。


 米屋旅館:一泊二食 6000円 
 ※203号室五月‥‥お茶・シーツあり。洗面あり。自販機は少し先にあり。朝食は6時から。
   洗濯代100円?
   宿泊客:歩き遍路3人、一般客4人組  


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2013年01月14日

【197】歩き遍路24日目〈その9〉[2012年4月13日]

お好み焼きを食べ、せっかくなので、夜食などのために、店先に並べてあった駄菓子を購入した。

「道の駅すくも」を出発する。
松田川の長い橋を渡り、宿毛市内へと入って来た。
宿毛市は人口2万人台のはずだが、その割には大きな町に感じる。

へんろ地図の赤い線通りに歩く予定だったので、川を渡って右折する。川に沿って歩くはずが、気が付くと、車道の交差点を右折して歩いていた。そろそろ東宿毛駅が見えてくるはずなのに、街の中に入って行くのでおかしいなぁ、と間違いに気が付いた。といっても、どちらを通っても宿までの距離は変わらないので大丈夫である。

本日の宿「米屋(よねや)旅館」は、アーケードの商店街の一角にあった。商店街は、シャッター通りと化している。

宿に入ると、ご主人が丁寧に案内してくれた。建物は古くなってきているが、とても親切である。
飄々とした感じの方で、お遍路さんのために尽くします、といった気持ちが伝わってきた。




本日のコースタイム
民宿叶崎6:32→ヘンロ小屋第14号大浦8:02→8:51月山神社→9:43赤泊の浜10:02→12:18道の駅大月13:27→15:48道の駅すくも16:37→17:20米屋旅館

歩行距離:33.6km
 歩数  :50539歩
最高気温:17.9℃
最低気温:11.6℃[宿毛市]  


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2013年01月11日

【196】歩き遍路24日目〈その8〉[2012年4月13日]

「大島屋旅館」のある辺りで喜多方の方と別れ、再び一人旅となる。
そろそろ休憩したいのだが、雨が降っているので、そこら辺に腰掛けるわけにもいかず、屋根のある休憩所を探しながら歩き続けた。
トイレにも行きたくなってきたが、それも見つからない。

この街は遍路に優しくないなぁ、などと不謹慎な事を思いながら歩いていた。休む場所を探すのはあきらめて、「道の駅すくも」まで頑張って歩くことにした。
結局、11kmほど、約2時間20分、ノンストップで歩いてしまった。自分としてはありえないことである。

「道の駅すくも」は一風変わった道の駅だった。船小屋のような建物がいくつかあり、それぞれが独立した店舗を営んでいた。

時間は午後4時過ぎとなっていたが、腹が減って仕方が無い。今は食欲旺盛なので、この時間に何か食べても、宿の夕食も食べられるだろう。

一番端っこのお好み焼きやさんにお邪魔することにした。店内に入ると、駄菓子が置いてあったり、内装・外装など、色々な所で、店主の個性が感じられる。

店主?のおじさんから寒くないですか、と聞かれ、大丈夫です、と応える。先程も一人のお遍路さんが来たが、とても寒がっていたそうである。愛媛のSさんだろうか。

自分で作る形式だったが、店の方にお願いして、お好み焼きのイカ玉(600円)を作ってもらった。缶コーヒーもメニューにあり、一本頂く。ゆっくりと荷物の整理などをした。  


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2013年01月09日

【195】歩き遍路24日目〈その7〉[2012年4月13日]

「道の駅大月」を出ようとする頃になって、雨がぽつぽつと降ってきた。

大月の市街地まで来ると、歩道が無くなり、狭い道に車が行き交っている。へんろ地図では一本外側にも旧道らしき道が書いてあるので、そちらも歩けるかもしれない。

「ヘンロ小屋第2号弘見」があったが、先ほど休んだばかりなので通過する。

ぽつぽつ雨が、次第に激しくなってきた。
大月の市街地を抜けると、前方に一人の歩いているお遍路さんが見えるようになって来た。喜多方の方だ。
少しずつ距離を縮めて追い付いたので、自然と一緒に歩くことになった。

今までやって来た仕事や家庭の話を伺う。家では、家事をこなすそうで、両親の食事も作るそうだ。失礼ながら、外見からはそんな感じがしないので、話を聞いていて面白かった。

通し打ちかと思ったが一国打ちで、今回は(39)延光寺で区切るそうである。今日の宿は、小筑紫の「大島屋旅館」。一日20kmペースでゆっくり歩いているが、昨日・今日とちょっと長い距離を頑張っているそうだ。
ゆっくりペースのためか、どこも痛めることもなく歩き続けておられた。

大月町から宿毛市の小筑紫地区へと入ってきた。ここで喜多方の方と、明日またお会いできるかも知れませんね、とお別れした。  


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2013年01月06日

【194】歩き遍路24日目〈その6〉[2012年4月13日]

自分にしては頑張って歩き続け、正午を少し回った頃に、ようやく「道の駅大月」に到着した。

入口辺りに雨除けがあり、ベンチが置かれていた。ゆとりがあり、こういう場所は、我々にとって休憩しやすい。

愛媛のSさんと「民宿叶崎」で同宿だった、福島県喜多方の方が休んでいた。お二人とも、二階のレストランで食事を済ませたそうである。

赤泊の西田さんから頂いた果物を食べる。何という名前だったか忘れてしまった話をしていると、たまたま通りかかった地元の方から、小夏、と教えてもらった。
はっさく、ポンカン、デコポン、夏みかん‥‥色々あって、名前を覚えるのが難しい。

喜多方の方は、遍路道は通らずに車道を歩いてきたそうである。もう一人同宿していた河内長野の方は、そのまま国道を進み、月山神社には寄らなかったそうで、もう先に進んでいる、との事だった。
Sさんは宿毛の「米屋旅館」を予約したそうである。今日はビジネスホテルにでも泊まろうかと思っていたが、Sさんも泊まることだし良い評判も聞いていたので、自分も同じ宿に予約した。

Sさんは先発し、しばらく喜多方の方と話をしてから、二階のレストランへ向かった。

モーニング的メニューを食べたかったが、時間を過ぎているとの事でダメだった。値は張るが、最近食べていない、焼肉定食(1000円)を頼んだ。

店内は広く、落ち着ける感じだった。地元の方や観光客で、程よくお客さんが入っていた。
たっぷりと休憩してから、宿毛に向けて出発した。  


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2013年01月03日

【193】歩き遍路24日目〈その5〉[2012年4月13日]

赤泊の集落に入る。集会所だったか、古い木のベンチがあったので、ここでまたも一息入れた。せっかくここまで来たのだから、あっさり通過してしまうのは惜しい感じがする。

再び出発。赤泊には、江戸時代の納札が大量に発見された西田さんのお宅がある、というニュースは知っていた。
どこなのかなーと考えながら歩いていると、果樹の作業をしていた方がお接待です、と小夏を二個、分けてくれた。

「元善根宿・西田家」と書かれた石標があり、お聞きすると、この方がその西田さんでした。ブログなんかで書いてあるからねぇ、と苦笑いされていました。きっと、尋ねて行く人も多いのかも知れません。

ほとんど車が通らない山道を進むと、幅の広い道と合流した。国道に出たか?と思ったが、表示も何もない。西泊からの道に合流したようだ。

もう少し進み、国道321号線、姫ノ井の集落までやって来た。突き当たり右手に、少し前のへんろ地図に掲載されていた「花屋旅館」があったが、廃墟のようになりつつあった。

姫ノ井を出ると、ずっと国道沿いの単調な道となった。たくさんの犬を飼っている家の前を通る。一匹だけ繋がれていない犬がおり、少し後をついてくる。きっと危害を加えることはないのだろう。

一息入れたかったが、赤泊で連続して休憩したので、ここは頑張って、「道の駅大月」まで歩き続けることにした。  


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2012年12月29日

【192】歩き遍路24日目〈その4〉[2012年4月13日]

九十九折りの坂を下ると、海岸を歩くことで有名な、赤泊の浜となった。

大きな石の上を歩く区間も少しあるのだが、これくらいだったら問題ないと油断があったのだろう、肉刺で痛かった足に力が入らず、勢いが出て、あやうく素っ転びそうになってしまった。

しかしながら、こういった道を歩くのもまた、楽しいものである。遍路道にアクセントを与えてくれる。

石に赤いペンキで矢印が書いてあり、大体その方向へと進んでいく。愛媛のSさんも追いついてきた。
せっかく赤泊の浜まで来たので、ここで石の上に座り、海を眺めながら休憩していくことにした。

この辺りは全く人の気配が無い。密航者がやって来ても分からないかも知れない。先程、月山神社で出会った方は、ここで野宿をしたそうだが、自分には恐ろしくてとても出来ない。

どこまで海岸を歩いていけばいいのかはっきりと分からなかったが、少し先を行くSさんが車道に向けて歩いて行ったので、後を追うと、車道に上がった所に「大月へんろみち 延光寺へ33㎞」と書かれた、石造の道しるべがあった。
ここで合っていたようだ。 

ここからは内陸に向かって歩いていく。少しずつ人の生活の匂いがしてくると、赤泊の集落である。


今年の記事の更新はこれが最後となります。当ブログに訪問して下さったみなさん、ありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。  


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2012年12月26日

【191】歩き遍路24日目〈その3〉[2012年4月13日]

へんろ地図には、「古来、金剛福寺を打ち終えた遍路は、篠山詣りか月山詣りをすることを不文律としてきた」とあることから、月山神社はさぞ立派な神社なのか、と思ってしまうが、見た感じは普通の神社よりも小さい感じがする。

般若心経を唱えたが、神社だから、手拍子と礼だったのだろうか。
参拝していると、「民宿宮本」に宿泊していた愛媛のSさんも到着した。

月山神社一帯は、大浦の集落を出てからというもの、人の気配も車の姿も見えない寂しい場所である。前後に何人か歩いていたことは分かっていたのでよかったが、一人っきりだったら、さぞ心細かっただろう。

その内、はじめて見かける野宿風の気さくなおじさんがやって来た。逆打ちをしているそうで、昨日は赤泊の浜で野宿したそうである。人気の無い海岸で野宿をする逞しさには感服である。

しばらく車道を歩いてから、再び地道の遍路道となった。
後で聞いた話では、同宿した河内長野や喜多方の方は、道が荒れているかも知れない、と車道を歩いたそうだが、その様な事はなく、ずっと歩きやすい道が続いた。

へんろ地図には展望台があることになっているが、どこにあるのか分からなかった。いつの間にか、通過してしまったようだ。
しばらくは平坦な道が続いていたが、九十九折りの下り坂となった。  


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2012年12月24日

【190】歩き遍路24日目〈その2〉[2012年4月13日]

大浦の集落から坂道を上り、しばらくは林道を歩く。
月山神社への道には、地元の方々による道しるべがたくさんあったのだが、この林道にはしばらく見当たらず、もしかして道を間違えたか、と思った頃に、大月へんろみち保存会の札がぶら下がっており、一安心した。

こうやって、地元の方たちが遍路道の整備をしてくれていることに感謝したい。
林道から案内に従って山道に入る。地元小学生による応援のへんろ札が、あちこちにかけてある。

川渡りがあり、石の上をひょいひょいと渡る。

すぐに舗装道路に出たが、大きな木の根っこの所にへんろ札がある。こんな所を上るのか、といった感じだが、案内通りに進んでみるとほんの10mほどでまた舗装道路に出た。遍路道を忠実に再現してくれているのだろうか。

鬱蒼とした森の中の舗装道路を進むと、左手に「守月」と表札のある豪邸が突然現れたので驚いた。月を守る、月山神社ときっと関係があるのだろう。その隣が月山神社だった。
へんろ地図では、大浦の集落から月山神社まで近い感じがするのだが、実際には結構距離があるように感じた。  


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2012年12月21日

【189】歩き遍路24日目〈その1〉[2012年4月13日]

民宿「叶崎」での朝食時間が何時だったかはっきり覚えていないが、6時前には食事をしていたように思う。
6時半頃に、4人中3番目に出発した。歩き始めは、肉刺が少々痛む。

10分弱で、叶崎に到着した。白い燈台が見える。自分の中では、四国の一番外れに来た印象がある。
ここが最果て、ハイライト、これからは一番霊山寺に近付いていく。

トンネルをくぐると、遠くに小才角の集落が見える。ここからは大月町となる。

この辺りは「逆くの字形」の地形になっており、海を隔てて、はるか向こうに歩いているお遍路さんの姿が小さく見える。20分ほどであの場所にたどり着けるだろうか、などと考えながら歩く。
気が付くと、ずっと後方にもお遍路さんが歩いていた。

小才角の集落を抜けると、しばらくは海沿いの人家の無い区間が続く。
宿を出て約1時間、大浦分岐に着いた。ここからは国道を離れることになる。

大浦の集落に入ると、意外な場所に自販機があったので、後々のため缶コーヒーを二本買っておいた。

「ヘンロ小屋第14号大浦」があり、せっかくなので少し休憩していくことにした。造られて何年も経っていないようだが、潮風にあたり続けているためだろうか、木の風化が進んでいた。

ここからは、いよいよ歩きの道となり、月山神社へと向かう。  


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2012年12月18日

【188】歩き遍路23日目〈10〉[2012年4月12日]

宿の外観は修繕したばかりのようでとてもきれいだったが、室内は昔のままのようだった。

部屋に案内してもらい一休みする。襖を開けると隣室であった。一階(地下?)に降りて、入浴をして食事となった。

すでに同宿のみなさんが食事をしていた。宿泊客は4人。愛媛のSさんが断られていたから、定員4名だろうか。

斜め向かいに、道の駅や貝ノ川のスーパーで出会った方が座っていた。大阪の河内長野から来られた73才の方で、高野山大学に通っているそうである。

向かいに座っていたのが、話をしているうちに、一緒に下田の渡しにも乗船した、栃木の方と分かった。遍路衣装を解くと、全然誰だか分からない。若く見えるが、61才との事だった。

もう一人、隣に座っていたのが、福島県の喜多方から来られた60才の方で、会津弁丸出しで話し続けていたのが面白かった。田舎のおじさん、という感じがした。
この3名は、昨日「民宿夕日」に泊まっており、顔見知りだったこともあって会話が弾み、楽しい夕食となった。

河内長野の方は遍路の研究をしているそうで、なぜ遍路をしている?、仕事はどうした?とストレートに聞いてくる。
なぜ遍路をしているか、という質問は、いつも返答に困ってしまう。自分でも明確な答えがないからだ。仕事は辞めてきました、と正直に話す。やっぱり、という感じだった。
自分のような年齢の者が、この時期に歩いていると、みんな疑問に思うのも無理はない。

とはいえ、久しぶりに、宿の夕食時に遍路談義で盛り上がれたのはうれしかった。


 民宿叶崎:一泊二食 5500円 
 ※浴衣あり。お茶・シーツなし。自販機は遠くにあり。朝食は6時ちょっと前からでした。
   洗濯代?
   宿泊客:歩き遍路4人  


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2012年12月15日

【187】歩き遍路23日目〈その9〉[2012年4月12日]

ここで休んでいこう、と店に近付くと、愛媛のSさんと、またまたお会いした。道の駅で見かけた年配の方と一緒に休んでいた。

缶コーヒーとアクエリアスを飲みながら、三人で話をした。歩いている途中、Sさんは、今日泊まる「民宿宮本」の方に「Sさんですか、ご予約ありがとうございます」的に声を掛けられたそうである。
年配の方は、今日は「民宿叶崎」に泊まるとの事だった。

この店には喫茶店も併設していた。また、少し道路から入った所に、古いながらも公衆トイレがあった。
お二人は先に出発して行った。少し遅れて、自分も腰を上げる。

貝ノ川トンネルを抜けると、「民宿叶崎」のある大津集落となった。最果て感たっぷりである。自分の中では、ここが四国の一番端っこである印象がする。
今はトンネルをくぐってあっという間に到着するが、昔はさぞ大変だったに違いない。

叶崎の方に目を向けると、山の斜面からせり出すように、近代的な道路がつけられているのも印象深い。

国道から旧道に入り、橋を渡って少し中に入ると宿だったのだが、遠回りして集落の中の道を歩いてしまったが、夕方5時を少し回った頃、宿に到着した。
何度か声を掛け、ようやくご主人らしき方が出て来てくれた。奥さんは、そろそろ自分が到着するだろうと、近くの橋のたもとで待っていてくれたようである。遠回りをしてしまったので、気付かなかったようだ。


本日のコースタイム
足摺はっと7:06→icon18→ヘンロ小屋第20号足摺7:17→土佐清水(喫茶TOP)11:25→13:35道の駅めじかの里土佐清水14:17→16:26貝ノ川16:49→17:14民宿叶崎

歩行距離:29.7km
 歩数  :48844歩
最高気温:21.5℃
最低気温:15.6℃[土佐清水市]  


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2012年12月12日

【186】歩き遍路23日目〈その8〉[2012年4月12日]

国道321号線は、竜串の海岸を左に見ながら続いていく。
海の上に、ピンクと白の変わった建物が立っている。海中展望塔と呼ぶらしく、海の中を歩いているように眺めることが出来るそうである。

観光地の竜串を過ぎると、人家も少なくなり、いよいよ最果て感が漂ってきた。

片粕という集落のバス停で一休みすることにした。海を目の前にした、少し高い所にある、きれいなバス停である。
愛媛のSさん、そして二人連れの旅人が休んでいた。

父と息子風だったが、知人の息子さんだそうで、遍路ではなく、海岸線に沿って四国を一周しているそうである。確かにこの道路は、四国の外周路となる。
お父さんの方は、日本縦断をしたことがあり、メディアにも登場したことがあるそうである。
今日はこの場所にテントを張って、野宿をするとの事だった。

ここからは、トンネルが続く。トンネル脇には、海岸に沿って通じていたのだろう、旧道が続いている。
おそらく、少し前までは、この狭いグネグネ道がメイン道路だったのだろう。今はトンネルが出来て、随分と移動時間が短縮されたに違いない。

トンネルを二つ抜け、貝ノ川という集落に入った。立派な家が多いように感じる。今まで見てきた漁村とは少し違うように思えた。

へんろ地図に「ファミリーマート」と書いてあるので、コンビニがあるのかと思っていたが、先ほどの二人連れから、違うと聞いていた。小さなスーパーである。   


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2012年12月09日

【185】歩き遍路23日目〈その7〉[2012年4月12日]

「道の駅めじかの里土佐清水」には、愛媛のSさん、作務衣の方、そして今日の宿で一緒になる、初めて見かける年配の方がそれぞれ休憩していた。

今日は「民宿叶崎」を予約してあるが、愛媛のSさんは満員と断られ、「民宿宮本」に予約したそうである。

惣菜とソフトクリームを買い、日当たりの良いポカポカの場所で食べることにした。今日は暑いくらいの一日である。

道の駅で40分ほど休憩してから出発する。すぐに三崎、という大きな集落となった。
幡多信用金庫があり、ここでお金を下した。今は、信用金庫同士ならば手数料なしでお金を下ろせるようになったのだろうか、こんな遠く離れた場所の銀行でも手数料はかからなかった。

三崎地区を過ぎると、観光地としても有名な「竜串」である。

せっかく来たのだから、少し観光しても良かったのだが、初めて来る場所なので、へんろ道を忠実に歩きたかったし、前を行く愛媛のSさんも足を止める様子もない、観光に来たわけでもないので、そのまま素通りしてしまった。

一昔前の昭和の雰囲気が漂っている。廃墟になった竜宮城もあり、ウン十年前にはきっと、たくさんの人たちで賑わったのだろう。  


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2012年12月07日

【184】歩き遍路23日目〈その6〉[2012年4月12日]

道しるべが見当たらないので、もしかして道を間違えているのでは、と少々不安になるが、一本道だし、道路標識などからも合っているようである。

遠くに土佐清水市街が見渡せる場所までやって来た。そろそろトイレに行きたいのだが。
「海の駅あしずり」があったが、道をそれて、かなり奥まで入って行かなければトイレが無さそうだったので、少し行きかけた所でUターンして戻ってきた。

海を眺めながら歩き、松崎という集落の福祉センターに「お遍路さん・道案内・お手洗い」と書かれた、かわいいイラスト入りのステッカーが貼ってあった。この辺りで度々見かけるステッカーである。
中へ入り、事務の方にお願いして、トイレをお借りした。自分より少し年上の方で、少々話をしてからお礼を言い、出発した。

洗濯岩のような変わった岩石が見られる海岸を見ながら歩いてきたが、少し山の方に入って行く。
土佐清水市内を出発して、1時間15分。ようやく木に結び付けられたへんろ札を発見した。久しぶりの再会である。

山伏峠を過ぎて、道端で靴下を脱いで一息入れた。
休憩を終え立ち上がると、後ろからお遍路さんがやって来た。これから度々顔を合わせる、愛媛のSさんだ。

一定の距離を保ちながら歩いていると、「道の駅めじかの里土佐清水」に到着した。おそらく、ここを通るお遍路さんはみなが立ち寄るのではないだろうか。  
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Posted by こいったん at 22:33Comments(0)お遍路 第二拝(高知)