2012年11月29日

【180】歩き遍路23日目〈その2〉[2012年4月12日]

松尾の集落を抜けると、県道を横断して再びへんろ道に入るのだが、今回はかなり遠回りとなる車道を進んだ。
木々に阻まれ、意外と視界が開けないが、時折見ることが出来る海は、天気が良いこともあり、とてもきれいで、素晴らしい眺めである。

グネグネとした細い道を歩く。時折、狭い道を車が通り過ぎて行く。こういった道は結構好きである。
臼碆というこの辺りは、黒潮が日本で一番最初に接岸する場所と言われているそうだ。駐車場ときれいなトイレ、自販機がある場所に出た。本日最初の休憩とした。

ここは、一巡目の時に泊まった「久百々」の女将さんご推薦の竜宮神社への入口となっていた。少し迷ったが、せっかくなので行ってみることにした。荷物は駐車場に置いていくことにした。持って行く人などいないだろう。

海に向かって遊歩道をどんどん下っていく。帰りは上りとなり大変かも、と心配しながら進む。結構歩くと、視界が開け、海に突き出した岩山の上に、赤い鳥居の竜宮神社が遠くに見えた。確かに素晴らしい眺めである。

神社まで歩いてみるべきだったのかもしれないが、これ以上時間をロスしては、ということで、引き返すことにした。

駐車場に戻り、再び出発する。はるか遠くに見えているのが、今日これから歩いていく叶崎辺りだろうか。あんな遠くまで今日中に歩いていけるのか、と思ってしまうが、意外とこれが、歩いていくうちにドンドン近付いてくるものである。

山の中腹には「民宿夕日」が見える。昨夜は川崎のOさんが泊まったはずだ。一面の海を見渡すことが出来る、絶好の場所に立地している。さぞかし、夕日もきれいだろう。

これまでずっと高台を歩いてきた印象があるが、ようやく平地となった。まるで、下界に降りて来たようである。  


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2012年11月27日

【179】歩き遍路23日目〈その1〉[2012年4月12日]

朝6時半からの朝食を終え、宿を出発した。昨日の年配チャリダー二人組も一緒に宿を出て、朝もやの中、颯爽と走り去っていった。

ちょうどすぐ側のバスターミナルから7時13分発のバスがあったので、それに乗って、昨日歩いたヘンロ小屋まで向かった。

フリーバスだったので、若い運転手さんに「大戸のヘンロ小屋までお願いします」と頼んだのですが、どこのことか分からなかったようで、説明が必要だった。毎日、小屋の前を通っていても知らない人がいるようである。同じバスターミナルから、60歳前後の遍路姿のご夫婦も乗車した。

5分ほどのバスの旅だったが、車窓から、一昨日、ドライブイン水車で会った愛媛のSさん、そして初めて見かける青い作務衣を着た方が歩いていた。

「ヘンロ小屋第20号足摺」でバスを降りた(200円)。30分ほど歩く時間の短縮となったが、この短縮は大いに助かった。
先程の作務衣の方がやって来た。この先しばらくは、前後して歩くことになった。

大戸を過ぎて旧道に入り、さらに細い道に入り海に向かって下って、松尾の集落に入ってきた。
以前は、石垣の階段を上って家々の間を抜ける近道を通ったはずだが、その道へ誘導する道しるべは消えており、遠回りしてバスが通る道に合流した。家々から苦情でも出たのだろうか。

県道にぶつかる手前に松尾小学校があった。今日は平日にもかかわらず、子どもの気配が感じられない。家に帰ってから調べてみると、つい最近、廃校になっていた。さらに調べてみると、土佐清水市内にはたくさんの小学校があったのだが、過疎化の進行で、急速に統廃合が続いているようである。  


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2012年11月25日

【178】歩き遍路22日目〈その6〉[2012年4月11日]

「ヘンロ小屋第20号足摺」からは、地元の方の車に乗せてもらい、宿へと戻った。

この方は、広島県福山市出身とのこと。奥さんは「安宿」がある下ノ加江出身で、確か、新車を陸送する仕事をしていたが、定年となりこの地へ越してきた、という話だったかと思う。

良い所ですね、と声を掛けたが、何もなくてたいした所ではない、と話されたのが、これまたおかしかった。
過去には、脚を痛めたお遍路さんを中村まで送ったこともあるとの事だった。

本日の宿、「民宿足摺はっと」に到着、ご主人とは顔見知りのようだった。納札をお渡しし、お別れした。

近所の小さな商店へ夜食を買いに行ったり、入浴を済ませると、夕食となった。さすが足摺岬だけあって、豪勢な魚料理(刺身)だった。ただ、何かと急かされる宿で落ち着かなかった。

(38)金剛福寺の納経所でお会いした、チャリダー二人組が同宿だった。色々な話をして楽しく過ごした。お二人は、東京からフェリーで来られたそうで、定年になった元会社の上司と部下との事だった。
同じ職場で、こうやって一緒に旅が出来る上司や部下に出会えていることが、とてもうらやましかった。

 民宿足摺はっと:一泊二食 6825円 
 ※浴衣・お茶・歯ブラシ・シーツあり。自販機は外にあり。朝食は6時30分から。
    洗濯機(2台)200円、乾燥機(2台)100円
   宿泊客:歩き遍路1人、自転車遍路2人、一般客7~8人


本日のコースタイム
安宿6:49→喫茶ビーチ(大岐の浜)8:41→14:20(38)金剛福寺(足摺岬)15:40→16:18ヘンロ小屋第20号足摺→16:49民宿足摺はっと

歩行距離:26.1km
 歩数  :42143歩
最高気温:20.0℃
最低気温: 15.5℃[土佐清水市]  


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2012年11月23日

【177】歩き遍路22日目〈その5〉[2012年4月11日]

足摺岬に向かっては、道路の改修が随分と進んできている。一車線の渋い道が、二車線の味気ない道に変わりつつあるようだ。

岬の手前辺りまで来ると、熱帯風の樹木のトンネルとなっている。そこをくぐり抜けると、視界がパッと開け、足摺岬となった。この頃になって、ようやく雨が止んでくれた。

一旦、手前の公園でトイレ休憩をしてから、(38)金剛福寺に到着した。
豪雨の中歩き続けて、ようやく到着した札所、達成感からでしょうか、一瞬ジワーッとこみ上げてくるものがあった。
納経所で杖を忘れそうになったが、二人組の方が教えてくれた。このお二人とは偶然にも、後ほど宿で出会うことになる。

(38)金剛福寺の前には、何軒かの二階に喫茶店がある一昔風の土産物屋さんが並んでいるが、平日でこの天気では、人の姿が見られない。その中の一つでゆっくりと休むことにした。
荷物は、一切合切が雨で濡れてしまっていた。

時間もあったことから、灯台やウォーカーズのロケ地にもなった天狗の鼻などを散策した。

足摺岬を出発。林を抜けると、ホテルや民宿、住宅が立ち並んでいる。今日の宿に入るにはまだ時間があるし、まだ元気も残っていたので、もう少し先まで歩いて、バスで戻ることにした。

岬から3㎞ほどの「おおどトンボ公園」内に「ヘンロ小屋第20号足摺」があった。ここで休んでいると、自販機にジュースを買いに立ち寄った車の方が来られ、少し話をした。今からバスに乗って、岬の宿に戻る話をすると、乗っていきなさい、と声を掛けてもらった。お言葉に甘えて乗せてもらうことにした。初めての車お接待である。  


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2012年11月21日

【176】歩き遍路22日目〈その4〉[2012年4月11日]

土砂降りの中、狭い路上で、大阪の大きなリュックの方と話しをする。お名前をEさんといい、5月から起業されるそうで、その前に遍路に来たとの事だった。

一昨日、道の駅に泊まった後、昨日は津呂の遍路小屋に泊まったそうだから、40kmほど歩いたことになる。随分と引き離されてしまった。
これから打ち戻って「安宿」辺りで泊まりたい、と話していた。これで出会うのは最後となるだろう。

Eさんと話している最中に、後ろから別のお遍路さんがやって来た。
先程、窪津辺りで見かけた方だったが、何と川崎のOさんだった。雨具を着けていると、誰だか分からなくなってしまう。
昨夜は「民宿いさりび」に泊まったはずだから、もっと先に行っているはずなのだが‥きっと道に迷いながら歩いてきたに違いない。Oさんは先発していった。

雨の中、黙々と歩いてきたので、Eさん・Oさんと再会出来て、元気が出てきた。

大阪のEさんと別れ、足摺岬へと歩く。有名な津呂の遍路小屋に到着した。
人影はなく、少し休ませてもらった。

この辺り、道路左手に、木で作られた簡素な喫茶店らしき建物が、一巡目の時にあったはずである。
変わった所にあるな、と印象に残っていた。今回はそこに入ろうと考えていたのだが、それらしき建物は残っていたのだが、営業は止めていたようだった。

黙々と歩き続け、足摺岬まであと500m地点までやって来た。  
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2012年11月19日

【175】歩き遍路22日目〈その3〉[2012年4月11日]

この辺りからは、「あしずり遍路道」と書かれた標識があちこちに立っており、へんろ地図とは別ルートの道を案内していることもある。
一巡目にはこのルートを忠実に歩いたので、今回は地図のルートを普通に歩くことにした。

海を見ながら歩き続ける。朝から降っている雨は一向に止まない。
窪津の集落が近付いてくると、歩くのが難しいくらいの物凄い雨となってきた。

「安宿」のご主人がお薦めしていた「大漁屋」というお店があり、本日は休みだったが、店先の広いテント部分で雨宿りさせてもらうことにした。丁度、向かい側の建物に公衆トイレもあり、とても助かった。

ここで一旦荷を下ろし、激しい雨が止むのを待つことにした。雨宿りしていると、豪雨の中、一人のお遍路さんがやって来た。この方も雨宿りしていくかな、と思ったが、そのまま通過していった。

激しい雨はいつまでたっても収まらない。いつまでも休んでいるわけにはいかないので、出発することにした。
窪津からは一山越えるショートカットのへんろ道になるのだが、遠回りだが車道を歩いた。
ふと後をみると、お遍路さんが歩いていた。先程、雨宿り中に通過していった方だ。先に行っているはずだが、なぜ後にいるのだろうか。

この辺りの道路は、徐々に改修が行われ広くなってきているようだ。昔ながらの片側一車線の樹木に覆われた所を歩いていると、前方から歩き遍路さんがやって来た。

「分かりますか?」と声を掛けられた。岩本寺の宿坊で同泊し、一昨日、道の駅ビオスおおがたで出会った、大阪の大きなリュックの方だった。雨具を着けていたので、一瞬誰だか分からなかった。  


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2012年11月17日

【174】歩き遍路22日目〈その2〉[2012年4月11日]

車道を足摺岬に向けて歩いていたのだが、以布利の郵便局の辺りで、遍路道はこっち、と地元のおじさんに案内された。
その通りに進んでみると、海岸に出てきた。歩きの道に合流したようだ。

あしずり遍路道→と案内があるコンクリートの橋を渡ると、海岸の灰色の砂の上を歩く。本当にへんろ道?といった感じだ。歩く部分だけ流木が除けられているので、何とか道が分かった。
一巡目の時にも歩いているはずなのだが、記憶に今ひとつ残っていない。

森の中の山道を登り、車道に合流した。この車道は、地図を見ていると足摺岬へ向かう車がたくさん通りそうな感じがするが、車もほとんど通らない、薄暗い森の中の狭い道である。

途中、車道をショートカットする歩きの道があるようだが、今回はパスした。後でへんろ地図をみると、車道は随分と遠回りとなったようだ。朝からずっと雨が降っており、地図をじっくりと見ることが出来なかったので気付かなかった。

寂しい森の中の道を歩いていると、何でこんな所に、という場所に、お好み焼き屋さんの跡がある。
ここには雨を凌げる休憩場所があり、ここを目標に歩いて来た。備え付けてある遍路ノートを読みながら、ゆっくりと休ませてもらった。

家も無く、車も通らないこの場所に、なぜ店を出したのだろう。歩き遍路向けだろうか。
休んでいると、二人連れのお遍路さんが雨の中、休みもせず反対方向へと歩いていった。

元お好み焼き屋さんの休憩所を出てほどなく、大きな道路に出た。この道をひたすら進めば、足摺岬へと到達する。  


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2012年11月15日

【173】歩き遍路22日目〈その1〉[2012年4月11日]

朝6時から朝食だった。
激しく雨が降ってきた。幸い、今日は足摺岬までの約22㎞と、短い距離設定としている。
一日中、雨が降り続くようなことはないだろう、その内止むに違いない、と雨の中、「安宿」を出発した。

雨は止むどころか、激しく降り続いたままである。この雨の中でも、4~5人のお遍路さんとすれ違い、あいさつだけを交わしてすれ違う。久百々あたりに泊まった方たちだろうか。
所々、国道を離れるへんろ道があるのだが、一巡目の時に歩いていることもあり、今回はひたすら国道を歩き続けることにした。雨の中、地図を見ながら歩くことは難しかった、というのもある。

大岐海岸に降りる所に「ビーチ」という喫茶店がある。
雨でずぶ濡れのまま入ることは気が引けたのだが、朝食を食べたにもかかわらずもうお腹がすいてしまい、休憩をしたかったこともあり、入店することにした。
このお店は、一巡目の時にも利用している。

この先の遍路旅でも、お昼までお腹がもつ事はなく、9時頃にモーニングなど腹ごしらえをすることが多かった。
朝食をしっかり食べると、却ってお腹がすいてくるのではないだろうか。

店内は、地元の漁師風のおじさんたちで賑わっており、少々肩身が狭かった。モーニングセット(400円)を注文した。高知辺りのモーニングには味噌汁がついてくる。

店を出て、雨の大岐の浜を歩いてもよかったのだが、今回は国道をそのまま歩くことにした。
「民宿旅路」のある辺りから、へんろ道は海岸へと下る集落の中の道となるが、ここも車道を進む。

余談となるが、へんろ道保存協力会のHPによると、「民宿旅路」をはじめ、「星空」「民宿海の幸」が休業中となっている。この辺りの遍路宿が一気に休業となってしまうとは、何とも寂しい限りである。  
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2012年11月13日

【172】歩き遍路21日目〈10〉[2012年4月10日]

「安宿」には、2008年のGWに泊まっているから、約4年ぶりとなる。その時は、相部屋で何とか泊めて頂いた。

入浴・洗濯をする。ご主人が丁寧に案内してくれた。前回は息子さんだろうか、若いお兄さんが世話を焼いてくれたが、今回はお見かけしなかった。

夕食は食堂に皆が集まり食べた。今日のお客さんは歩きの方7名、全て年配の方々である。これから足摺岬へ向かう人、宿毛方面に向かう人の両方が泊まるから、他の宿に比べて賑やかである。
これから足摺岬へ向かうのは、自分ともう一人の方だけだった。

何事も断言しながら話す、おもしろいご主人の話を聞きながらの夕食となった。へんろ地図の距離が違う・靴紐の話と、お決まりの話をしてくれた。

この宿には、へんろ地図の初版のものだったか、かなり前のものが食堂に置いてあった。聞いたことがない宿がたくさん掲載されていた。時間があればもう少しゆっくりと見たかったのだが。
明日の宿の相談をすると、「足摺はっと」を紹介してくれた。


 安宿:一泊二食 6000円 
 ※茶・浴衣あり、シーツなし。洗濯・無料、乾燥機30分100円。朝食は6時から。
   宿泊客:歩き遍路7名  


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2012年11月11日

【171】歩き遍路21日目〈その9〉[2012年4月10日]

時間は、午後4時近くとなっていた。今日の宿に向けて出発する。今夜はあと5㎞ほど先の「安宿」に予約してある。

国道を進むと、「たこやきもり」というたこ焼き屋さんがあった。
お遍路さん、お気軽にご休憩ください、とベンチも置いてある。こういったたこ焼き屋さんは、高知ではよく見かける。先ほど休憩したばかりだが、お腹がすいてしまったので、ついつい立ち寄ってしまった。

たこやき・文旦ジュース・ヨーグルトムースがセットになって500円ということで、注文した。夕食の時間が近付いているのだが、遍路中は特に食欲旺盛なので、まあ、食べても大丈夫だろう。

一度歩いたことがある国道から道をそれて、旧道らしき道を歩いた。集落の中を歩いていると、いつの間にか、「安宿」の前に到着した。夕方5時を少し周った所である。
お隣のコンビニに先に寄ろうかと思ったが、宿からご主人が出てきて、後から行けばいい、と言われ、素直に宿へと入った。


本日のコースタイム
ネスト・ウエストガーデン土佐7:30→11:02下田の渡し11:07→11:13初崎船着場→うどん屋田子作12:30→15:19ドライブイン水車→たこやきもり16:51→17:11安宿

歩行距離:23.5km+α(伊豆田越え分)
 歩数 :41736歩
最高気温:21.2℃
最低気温:7.8℃[四万十市中村]  


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2012年11月09日

【170】歩き遍路21日目〈その8〉[2012年4月10日]

麓の車道に降りてきたのは午後3時を過ぎていた。少々ゆっくりし過ぎたようだ。

狭い車道から旧国道らしき道に合流する所のガードレールには色々な書き込みがあり、この先の正しい方向を示してくれていた。

指示に従って道を下っていくと、真念庵の近くにたどり着いた。一巡目の時に真念庵には立ち寄っているので、今回はパスし、次の休憩場所の目標としているドライブイン水車を目指した。

ドライブイン水車に到着したが、今日は休み。ここの敷地には公衆トイレがあるのでお借りし、休ませてもらった。
ここで、川崎のOさん、そしてこれから何度も出会うことになる、愛媛のSさんが先着していた。ここのトイレは、入り口に野宿が出来そうなベンチもあり、一人の青年遍路がおり、Sさんと話していた。

何でも、このお二人もトンネルをくぐらず、旧清水往還を歩いてきたそうである。少し前を歩いていた人たちがいたとは、驚いた。
もう少し先を進んでいてもいいはずだったが、麓の車道に降りてから、先の写真のガードレールの書き込みに気付かずに、間違えて反対方向へ進んでしまった、との事だった。
今日は「民宿いさりび」に泊まるそうで、早々に出発していった。

ベンチに座って休んでいると、先程の人懐っこそうな青年遍路がやって来た。
ここで野宿しようと思ったが、時間も早いのでもう少し先に進もうかと思っているそうで、この先の野宿スポットを聞かれた。時計を無くして困った、今晩は乾パンでしのぐ、など親しげに話してくる。食料をあげようかと思ったが、いいです、との事で、別にタカリなどではなかった。

別れてから気が付いたのだが、岩本寺の手前で会った東京の夫婦が話していた、富山県砺波市の人懐っこいお兄ちゃんとは、彼だったのかも知れない。短い出会いだったが、印象に残る青年だった。その後無事に遍路旅を続けていっただろうか。  


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2012年11月07日

【169】歩き遍路21日目〈その7〉[2012年4月10日]

旧道から林道っぽい道に入り、しばらくで再びへんろ札があり、ここからは歩きの山道となった。
特別きついということもなく、淡々と上り続ける。頂上近くにはへんろ石らしきものもあり、昔はこの道が使われていたことが分かる。

写真は、頂上の茶屋があったらしい場所である。
竹に囲まれて、こんな場所にお茶屋さんがあったとは信じられないが、地面には陶器の破片がちらばっていた。

頂上からの最初の下りの部分が、竹藪の中の道なき道を進む感じで、少々歩きづらく分かりにくかったが、トラロープがあったり、竹にマジックで矢印が書かれていたり、CDがぶら下げてあったりと、手作り感満載の案内が、進むべき道へと誘導してくれた。
短いながらも難所を越え、歩きやすい下りの道となる。山道を歩いたことで、少し膝が痛くなってきた。

その内、シダ刈りお接待の鎌が置いてある場所に到着した。よし、頑張ろう、ということで、サクサクと周囲の草を刈り取った。

一度でいいから、遍路道の維持管理をしてみたかったので、微力ながらも参加することが出来て、とてもうれしかった。
何ヶ所かに鎌が置いてあったので、時間が気になりつつも、少しずつ草の刈取りをした。

山を下っていて、膝の痛みが消えていることに気が付いた。少し立ち止まったことで、痛みが無くなったのかも知れないが、不思議な力も働いたような気がする。  


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2012年11月05日

【168】歩き遍路21日目〈その6〉[2012年4月10日]

「旧清水往還」への分岐にたどり着いた。
そのまま国道を進んでトンネルをくぐるか、昔のへんろ道を歩くか、どうしようか考えながら歩いていたのだが、結論が出ないままここまで来てしまった。

とりあえず、ここで休憩して考えることにした。山越えは倍以上の時間が掛かるようであるが、時間を気にしているのではない。
昔のへんろ道を歩きたい気持ちは強いのだが、このへんろ道の中でも一番長いトンネルと言われる、「新伊豆田トンネル」を黙々と歩くことにも魅力を感じてしまうのである。

以前、区切り遍路からの帰途、バスの中から、このトンネルを歩いているお遍路さんを見た時には、何とも言えない気持ちになった。一巡目にも歩いたのだが、もう一度歩いてみたい思いもあった。

散々迷ったのだが、結局、「旧清水往還」の山越えの道を進むことにした。2時間弱の山越えである。

この道には、草刈りボランティア用の鎌が置いてあるようである。一度でいいから、へんろ道の整備というか、そういったことに携わってみたい、という思いが勝ったのかも知れない。

国道を右に逸れ、旧道へと入る。道は二車線分あるが、雑草が徐々に道幅を狭めている。

右に入る林道のような道がある。よく見ると、へんろ札があった。こちらの道に進むようである。
後で聞いた話では、川崎のOさんと愛媛のSさんも少し前にこの道を通っており、ここのへんろ札に気付かないでそのまま進んでしまったそうだが、すぐに昔のトンネルに突き当たり行き止まりとなったので、間違いに気付いたとの事だった。  


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2012年11月02日

【167】歩き遍路21日目〈その5〉[2012年4月10日]

店の近くまで来ると、遠くにお遍路さん二人の姿が見えた。離れていたので誰だか分からなかったが、一人はこれまで何度か会っている川崎のOさん、そしてもう一人が、これから何度も顔を合わせることになる、愛媛のSさんであることが、後で分かった。

「うどん屋田子作」には、一周目の時に寄りたかったのだが、入りそびれてしまったので、今回はぜひ立ち寄ろうと思っていた店である。国道沿いにポツンと建っている古い建物である。

中に入ると、わりと若くて愛想の良い店主さんだった。脱サラでもしたのだろうか。先客は地元の方が一名いらっしゃる。四万十川で取れた青さの「青さうどん」がお薦めですよ、と声を掛けてもらったので、それを注文した。
海藻たっぷりで健康に良さそうであり、美味しく戴いた。

店を出ると、一旦今来た道を戻り、先程の青い倉庫の所に来た。よく見ると、朽ち果ててしまった、へんろ道保存協力会の道しるべがあった。

畑や果樹、そして川沿いののどかな道を進む。国道を横断し、津蔵渕の集落の川沿いを歩く。この辺りは一巡目にも歩いたのでよく覚えている。

再び国道に合流する。この辺りで休憩したことがあるな、などと懐かしみながら、山に向かって歩いていく。

この先、へんろ道の中では一番長いトンネル、「新伊豆田トンネル」、そして、お遍路さんの有志が復元したという、トンネルの上を山越えする、「旧清水往還」の二ルートがある。
さて、どちらのルートを取ることにしようか。  


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